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五十肩と診断されたらどうする? 「肩の痛み」に関するQ&A③

前回は、肩が凝ったら叩いてもいいのかといった、「肩の痛み」に関する質問を紹介しました。今回は、五十肩と診断された場合の対処法を見ていきます。

消炎鎮痛薬や貼り薬のほか、注射による治療も

Q:五十肩の急性期と診断され、安静にしているようにといわれたのですが、どうすれば良いのでしょうか?

A:痛みの出ない姿勢を保つようにします。

 

内臓の疾患での安静は、しずかに寝ているという意味も含まれていますが、五十肩の急性期の「安静」は痛みが出ない姿勢をとって、肩に負担をかけないようにすることです。

 

具体的には、外出時や立っているときは、三角巾で腕をつるなどして、腕の重みが肩にかからないように肩関節を安定させます。

 

椅子に腰掛けたり、部屋でくつろいでいるときは、クッションなどに腕の重みを預け、痛みの出ない姿勢をとるようにします。

 

ただ、ずっと肩を動かさずにいると関節が固まってしまいますので、痛みが和らいだら少しずつ肩を動かすストレッチなどを忘れずに行いましょう。

 

Q:五十肩の治療は痛み止めや湿布のほかに、どんなものがあるのでしょうか?

A:注射をすることもあります。

 

通常は消炎鎮痛薬の服用や貼り薬が用いられますが、痛みがひどい場合には関節包に直接ステロイド薬やヒアルロン酸を注射します。

 

ステロイド薬は、炎症を抑える効果がありますが、副作用もありますので何度も注射することはできません。ステロイド薬を注射する場合は、使用に関して熟知している専門医を選ぶようにしてください。

 

その点、ヒアルロン酸は、関節液や滑液にも含まれている成分ですから、注射で補うことで関節や腱の動きがなめらかになり、痛みを軽減する効果が期待できます。ですから症状が重いときには、定期的にヒアルロン酸の注射を続けることが有効とされています。

強い炎症や激しい痛みは「石灰性腱炎」の可能性も

Q:石灰性腱炎と診断されました。どういう病気なのでしょうか?

A:腱板に石灰やカルシウムが沈着する病気です。

 

腱板の中に石灰やカルシウムが溶け出し、最初はドロドロと粘性のある状態なのですが、だんだん硬くなって沈着します。

 

体にとって沈着した石灰は異物ですので、免疫細胞が集まってきて免疫反応が起こり、石灰を排除しようとします。そのために強い炎症が起こって激しい痛みに襲われます。なぜ石灰が沈着するのか、その原因はわかっていませんが、体質的な要因があると考えられています。

 

まだ石灰がドロドロした状態の初期であれば、注射器で吸引することが可能です。しかし、すでに硬くなっている場合は、それを溶かす薬を腱板に注射し、その後に少しずつ吸引していきますが、完全に取り除くまでには数カ月かかります。

 

痛みに対しては、非ステロイド系の抗炎症薬を用いて軽減します。

 

しかし、石灰の沈着が広範囲に及んだり、痛みがひどくて薬物療法でも効果がないときには手術によって取り除くことになります。

 

40歳以上の人に多く見られ、レントゲンを撮ってみると石灰が沈着している人が高い確率で見つかります。ただ、症状が現れていないために本人は気づいていません。

 

この石灰性腱炎も、広い意味では四十肩・五十肩に含まれます。

麻生総合病院 スポーツ整形外科部長

肩治療のスペシャリスト。
医学博士。日本整形外科学会認定専門医。日本肩関節学会代議員。日本整形外科スポーツ医学会代議員。昭和大学藤が丘病院兼任講師。
専門分野はスポーツ整形外科、肩肘関節外科、関節鏡視下手術。
1990年昭和大学医学部卒業。
現在は、同病院で勤務医として活躍するだけでなく早稲田大学ラグビー蹴球部のチームドクターを務める。

著者紹介

連載「肩の痛み」を速やかに取り去りアクティブライフを送る方法

 

 

「肩」に痛みを感じたら読む本

「肩」に痛みを感じたら読む本

鈴木 一秀

幻冬舎メディアコンサルティング

四十肩(五十肩)の発症率は70%を超え、もはや国民病と言っても過言ではありません。 一般に、肩の痛みや違和感は放置する人が多いのが実情ですが、手遅れの場合、尋常ではない痛みと共に日常動作をままならなくなり、最悪の…

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