今回は、会社を運営する上で基本となる「経費」と「費用」の違いについて説明します。※本連載では、楽天市場で人気の花屋「ゲキハナ」を運営する古屋悟司氏の著書、『「数字」が読めると本当に儲かるんですか?』(案内人・田中靖浩氏/日本実業出版社)の中から一部を抜粋し、実体験をもとに、会社の儲けるパワーを高めるための「管理会計」の活用法を解説していきます。

「費用」のなかに「経費」という項目がある

前回の続きです)

 

税理士さんは僕の目の前をうろうろと歩きながら、しばらく天井を眺めています。僕にはまるで、刑事ドラマで現場検証するときに犯人を推理する刑事の動きみたいに見えました。

 

その後、税理士さんは決算書と僕の顔を何度か見ながら、何かを悟ったのか、いきなりこんな質問をしました。

 

税理士「ところで、経費と費用の違いってわかります?」

 

「経費と費用って同じではないんですか?」

 

税理士「少し意味が違います。たとえば経費に計上できるとか、できないとか言いますよね?」

 

「経費で落とせるとか?」

 

税理士「そうです。会社が負担しても問題ないものを『費用』と言います。そのなかに『経費』という項目があると思ってください。これは法人税を支払う際に大きく関わってきます。経費に計上できないものも含めたお金が『費用』です。早い話が、『費用』は『経費』とそれ以外に分かれます

 

「ふーん。そういうもんなんですか?」

 

税理士「たとえば、会社の車を事務所の前に停めておいたら、駐車違反で切符を切られて反則金を払ったことはないですか?」

「費用」=会社運営にかかるお金のすべて

僕は昔、配送の途中で、ちょっとだけだからと思って路上駐車したら、お客さんの話が思っていたよりも長くて駐車違反になったことを思い出しました。

 

「それに近いことは過去にありますが・・・」

 

税理士「それ、会社負担にできるんですが、経費に計上はできないんですよ。なので、『費用』というのは、会社を運営していくうえでかかったお金のすべてだと思ってください

 

「なんとな~くわかりますが、これって儲かることと何か関係があるんですか?」

 

税理士「まあまあ、そうあせらずに。ここはなんとなくでも大丈夫です。経費は費用の一部だということがわかれば問題ありません。あくまで法人税を支払ううえでのルールの一部ですから。で、問題は経費よりも、費用です。これをよく知っておいてほしいんです」

 

「どうしてですか?」

 

税理士「費用には大きく分けて2種類あります。ご存知ですか?」

 

「2種類・・・。いや、わからないです」

 

税理士費用というのは、大きく分けると、『固定費』と『変動費』の2つです。これは、決算書には載っていますが、明記されて分けられているわけではないので、ぜひ覚えてください」

 

「はあ・・・」

 

「覚えてください」と言われても、まずなんで覚えるのかという、その意味がわからないんですが。

 

(続)

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

古屋 悟司 田中 靖浩(案内人)

日本実業出版社

ずっと赤字体質だったのが、スゴ腕の税理士に教わったとたん、V字回復して黒字が続いているという、著者の実体験をもとにした超実践的な会計の入門書。 ●「お金はあとからついてくる」はウソ ●固定費はニートな費用、変…

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