一棟物件への投資=キャッシュフロー狙いの戦略
赤字の新築区分マンションをそのまま売却して清算してしまえば、数百万円から一千万円以上の借金が残ってしまいます。そのような新築区分マンションに手を出して失敗した投資家のリカバリー策として最適なのが、地方一棟物件への投資です。
売却損を出すことなくプラスの状況に転じる可能性を生むスキームが、地方一棟物件への投資なのです。
一棟物件を狙う戦略は、言い換えるとキャッシュフロー狙いの投資戦略と言えます。
したがって、都心の一棟もの物件はここではおすすめしていません。というのも、現在の市況では都心の物件価格は非常に割高で、利回りが低すぎてキャッシュフローが出ないからです。
地価が高いので資産価値こそありますが、投資の数字が追いついてこない物件ばかりなのです。
実際のところ、良い場所に物件を持つことができれば、個人の所有欲は満たされるかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。そもそも投資とは、見栄や欲のために行うものでしょうか。自分の老後、家族の将来のために行うものだったはずです。
どうしても都心の物件が欲しいのであれば、まずは規模の拡大を優先して、安定したキャッシュフローを得たうえで挑戦しましょう。それが投資の順序として正解です。
実際、不動産投資ではそうやってステップアップしていく成功者はたくさんいるのです。
ターゲットは「1億円以上」の一棟物件
繰り返しになりますが、投資の初期段階では資産性よりもキャッシュフローにこだわるべきです。やはり地方、郊外といったエリアに目を向けて高利回りの物件を取得することがポイントになります。
基本的に物件が小さくても大きくても、不動産取引の手間は一緒です。
例えば一棟4室の物件と一棟10室の物件では、取引や管理の手間が10室のほうが2倍以上かかるわけではありません。ですから特に本業が忙しいサラリーマンの人は、手間に負けない投資スタンスで臨むのが効率的でしょう。
そこをカバーするのが、一棟物件の持つスケールメリットなのです。
一棟もの戦略で狙うべき物件の価格は、それこそエリアにもよりますが、たとえ地方でも1億円からがターゲットとなります。
1億円という金額は確かに大きいですが、不動産投資の世界では「手頃」とされるロットでもあります。この価格帯の物件というのは、地元の投資家と銀行が組んでもなかなか手を出せません。
しかし、都内のサラリーマン投資家なら十分に狙えるのです。
一方で数千万円程度の物件、4室や6室のような小ぶりのアパートでは集合住宅の規模のメリットが働きません。やはり一戸あたりの管理コストを下げつつ、適切な管理を行っていくにはある程度の規模が必要となります。
この場合、10室〜20室くらいはあることが望ましいです。また、小ぶりな物件は仲介会社や管理会社から軽んじられ、なかなか動いてもらえない場合もあります。
しかし、投資家のなかには、提案を聞いて「え、地方の一棟マンション?」と驚く人もいます。さらに詳しく話を聞くと、地方アレルギーというよりは投資額への抵抗感がある人のほうが多いと感じます。