製薬会社MRは、資料の一部にドクターの動画を活用
動画に登場してもらうのは、社内の人間に限る必要はありません。
多くの製薬会社のMRが実際に使っているスライドでは、製品を紹介している画面の一部にドクターの動画があります。その製品を使う場合の注意点などについて話していただいたり、治療についてオピニオンドクターに話していただいた内容を録画したものです。自社の営業用に使うことをあらかじめ了解してもらった上で取材し、社内審査されたものです。
過去においてはこのようにしてクライアントに語ってもらった動画を全社で共有してきましたが、この制作には多大なコストがかかっていました。
製薬会社では知識の習得のために、医師を招き、支店ごと、もしくは営業所ごとに勉強会を行っています。例えば、日本全国の営業所で100の大学の医師に勉強会を実施していただいた動画を撮影できたとすると、100人の別々の研究テーマの動画がつくれることになります。大学病院の営業担当がいれば、同様に100件の事例集が1カ月でつくれます。
それをタブレット端末で営業ツールとして全国で活用できるようになると、営業担当者同士の情報交換にもなります。
このように動画機能は顧客自身が製品をすすめてくれるインタビュー素材にもなり、教育用としても短時間で多くのナレッジを集めシェアすることができ、それがタブレットだけでつくれて、持ち運びができ、どこでも簡単に見られる時代になったのです。
「社外の人」が登場することでリアリティーがアップ
金融機関では、融資の依頼に来た会社の社長から今の経営課題を聞き出し、その課題を解決してくれそうな会社を紹介したりします。このように会社間の仲立ち役となるビジネスマッチングをする機会が増えているといいます。
そのときに紹介したい会社の社長に話をしてもらった動画をタブレットで見せれば、会社案内やカタログよりもリアリティーがあり、社長の人となりも感じられて、「ではこの社長と一度会ってみようか」となるでしょう。
タブレットでその会社の資料を見せながら、人の声や表情も伝えられることは、対面営業の大きな武器となり得ます。
教育とナレッジの共有だけでなく、動画には様々な活用方法が考えられるのではないでしょうか。新しい時代に、新しい活用法を考えるのは皆さんです。