月単位、年単位で気長に続けることが成功の秘訣
「稼ぎ力」に「貯蓄力」がついてこなければ、数年後には「残高ゼロ」。そのような悲劇を招かぬように、ぜひすべての人に「貯蓄力」を磨いてほしいと思います。「貯蓄力」とは、文字通り浪費をせず、お金をコツコツ貯めていく力のことです。
「貯蓄力を磨く」「貯蓄力を鍛える」などと言うと、特別な修練が必要なように聞こえるかもしれません。しかし、実は極めて簡単なことです。〝自分のルール〟を見直し、おかしければ修正を加え、暮らしの中でコツコツと実践し続ければよいのです。余計な時間も手間もかかりません。
短期で結果を出そうと焦らず、気長に月単位、年単位で続けることが成功の秘訣です。その姿勢は、スポーツの練習に似ているとも言えます。自らに課せられた目の前のトレーニングを素直に繰り返すことで、力はついてきます。
貯蓄力を鍛えるのも、それとよく似ています。毎日コツコツと貯蓄することで、1カ月後、1年後には、「ちょっとうれしくなるくらいのお金が貯まっている」という結果につながるのです。
「私は貯蓄が得意です」と大声で宣言する
貯蓄を意識したことがない人の場合、「貯蓄は苦手で・・・」と拒絶反応を示すこともあります。けれども、それは自分自身の強い思い込みにすぎません。
強い思い込みのことを、「心のブロック」と表現することがあります。条件反射的に「貯蓄は苦手で・・・」と逃げてしまう人は、「貯蓄が苦手」という心のブロックを、解くところから始める必要があります。
それには口に出して「私は貯蓄が得意です」と大声で宣言するのです。気が付いたときに、自分一人で何度も口にするのがよいです。
心で思うだけでもかまいませんが、脳科学的には「自分の声を耳から聞くことで、より強烈に脳に影響を与えることができる」とされています。
声に出すことで、深層心理に〝自分のあるべき姿〟を、より強く刻み込むことができるのです。また、紙に「私は貯蓄が得意です」と大書して、よく目につくところに貼り出しておくことも有益です。一日に何度も〝自分のあるべき姿〟を目にすることで、脳に幾度もインパクトを与えることができるため、行動が変わってくるからです。
こんな有名な言葉もあります。
「やってやれないことはない。やらずにできるわけがない」(斎藤一人)
もし我が子が川で溺れているのを見たとしたら、きっと迷わず、全力で助けようとするはずです。そんな非常事態で「私は水泳が苦手で・・・」と立ち去る人はいません。
たとえ、どれだけ泳ぎが下手だったとしても、あれこれ考える前に水に飛び込むはずです。これからは短絡的に「私は貯蓄が苦手で・・・」と口に出すことをやめていきましょう。
「自分が貧乏か」を1分間目を閉じて考えたとき。「私はものすごく貧乏です!」と言い切れる人は、おそらくいないはずです。
「私は貧乏です」と答えたあなたは、「自由に使えるお金が少し足りていない」という状態にすぎません。「自分のルール」を変えて貯蓄力をアップさせれば、「お金持ち」になることができます。