結膜に傷や異物感がある場合には、手術も選択肢に
Q:1年前より目の血管が頻繁に切れるようになり、とても気になっています。眼科を受診したところ結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)と言われましたが、予防する方法は全くないのでしょうか?
A:結膜の出血と結膜弛緩症が関連があるとわかったのは最近のことです。結膜が緩んでまばたきの度に結膜が移動し、その際に血管が引っ張られて出血するのではないかと考えられています。手術は通常緩んだ結膜を切除してその後に結膜を縫い合わせます。局所麻酔で30分ほどですが、眼表面の手術なので手術後2週間ぐらいは異物感が残ります。
どのぐらいひどければ手術をするかという統一基準はありませんが、一般的には結膜弛緩があって、それによって結膜に傷ができたり、異物感が生じる場合は手術に踏み切ることが多いです。
出血に関しては、年に1回ほどの出血であれば様子を見ますが、月に何度もというようであれば、希望に応じて手術を考えます。
ただし手術も、結膜を切る手術なので2〜3カ月は充血が残ります。メリットとデメリットを考えて手術を決断してください。
早めの対処で重症化を防ぐとともに、感染拡大予防を
Q:ウイルス性結膜炎に感染してしまい、まぶたに白い膜(偽膜)がくっついているので、除去することになりました。今現在、リンデロンとクラビットを指示通り点眼していますが、右目はかわらず見えづらく、目も4分の3くらいしか開かない状態です。このままの状態が偽膜を除去する日まで続くのでしょうか。
A:これはウイルス性結膜炎の重症のタイプと思います。このような場合、炎症の影響で偽膜が形成されたり角膜に濁りが生じたりします。偽膜は除去しないと結膜と眼球が癒着することがありますので除去することが原則です。また原因は炎症反応ですので、強めのステロイドの点眼、場合によっては内服が必要です。
炎症が治まれば偽膜はなくなりますし、角膜の混濁も徐々に消えていきます。
また、このような感染が起こっている時期は、充血、眼脂、涙などが強く出ている時期です。通常このウイルスは感染している人が目の周りを触った手で別の場所を触り、そこにウイルスが移動して、その部位を別の人が触ることで感染を起こします。
早めに対処すれば重症化を防げるため、目の周りを触った後(点眼後)などは手洗いを行い身近な人に伝染させないようにすることが大切です。