発症の原因が不明なケースが多い「強膜炎」
強膜炎は、自己免疫疾患や全身性の炎症性疾患、局所感染などが原因で起こることがあるのですが、それ以上に原因がわからないまま発症することが多い病気です。
そもそも強膜とは眼球の一番外側、いわゆる白目の部分にあたります。強膜はその名の通り眼球の中で一番強い構造になっていて、眼球全体を外からの衝撃や圧力から守っています。この部分に炎症を起こすのが強膜炎となります。30〜50歳に最も多く症状がみられ、男性よりも女性の方が発症しやすい病気です。
主な種類は、強膜の表面部分に炎症が起こる上強膜炎、深部強膜に炎症が起こる前部強膜炎、眼球の後部にまで炎症範囲が広がっている後部強膜炎の3つです。症状としては、目の痛み、充血、涙の増加、光が刺さるようにまぶしく感じる、視力が低下するなどがあります。
特に目の痛みは激しく、私の所に相談にくる方の中にも、突き刺さるような痛みを感じ、あまりの痛さに眠れなかったり、食事ができなくなったりと、つらい症状が続き、精神的なダメージから日常生活に支障をきたしているケースは少なくありません。
ほとんどの症例は、適切な治療で炎症が抑えられる
強膜炎の治療は主に炎症を抑えるための対症療法を行います。ステロイドや炎症を抑える薬、抗生物質などを点眼もしくは注射します。ただし、治療法を間違えてしまうと、治療をしているにもかかわらず強膜が壊死してしまって、薄くなり、穴が開いてしまうこともあります。
強膜炎は適切な治療を受けていればほとんどの症例で炎症を抑えることが可能な病気なので、症状を感じたらなるべく早く相談してください。