前回に引き続き、「強膜炎」に関するQ&Aを見ていきましょう。今回は、強膜炎治療による「副作用」に関する疑問等を紹介します。
ステロイドにより「眼圧上昇」が起きるケースも
Q:強膜炎のため、点眼薬や内服薬で治療中です。それで効かなければ、ステロイドの注射をすると言われましたが大丈夫でしょうか。
A:ステロイドには、眼圧上昇などの副作用が起きる可能性がゼロではありません。したがって、慎重に経過を見ながら行います。
出血を繰り返す場合は、結膜の手術も選択肢に
Q:6年前から強膜炎で通院しています。同時に結膜下出血も起こしています。最近は出血がひどく、ほぼ毎日出血を繰り返しています。なんとかして治したいです。
A:強膜炎で結膜下出血を繰り返す原因としてまず考えられることは、ドライアイです。眼球と結膜の摩擦が強くなり、まばたきとともに結膜が引っ張られることで血管から出血します。
他にも結膜弛緩症で、結膜にゆるみがあるとまばたきをした際に、結膜の血管が引っ張られて出血します。結膜弛緩症で頻繁に出血が起こる場合は、結膜の手術で治すことも可能です。
日本眼科学会認定眼科専門医
指導医
1998年名古屋大学医学部卒業後、社会保険中京病院に勤務。
2000年、社会保険中京病院眼科医員。
2005年ハーバード大学 Massachusetts Eyeand Ear Infirmary 留学。2006年、イリノイ大学眼科留学。2012年慶應義塾大学医学部大学院卒業博士号取得。同年、岐阜赤十字病院眼科主任部長、名古屋アイクリニック角膜・眼表面担当医に就任。白内障、レーシック、フェイキックIOLから角膜移植術、角膜クロスリンキング、眼瞼手術など最先端の手術をマルチにこなす。2011年~2015年までの手術実績約3700眼。
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 非常勤講師。
大連医科大学客員教授。
中華人民共和国 非常勤医師免許取得。
ICLインストラクター。
トラベクトームインストラクター。
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