ひと口に結膜炎といっても種類はさまざま
結膜炎とは、白目とまぶたの裏側を覆っている半透明な膜(結膜)が、赤く充血して炎症を起こす病気です。昔から患者数が多い眼科の代表的な病気であり、みなさんも一度は耳にしたことがある病名なのではないでしょうか。
それだけに「ありふれた軽い病気」と思っている患者さんが非常に多い印象です。しかし、ひと口に結膜炎といっても種類はさまざまで、それぞれ対処法が異なるのです。
点眼薬では治せない「ウイルス性結膜炎」
まず、細菌の感染で起こる細菌性結膜炎は、結膜が充血し目やにが出たりします。原因となる細菌の種類はさまざまですが有効な点眼薬(抗生物質)があるので、比較的早く治る病気です。
一方、点眼薬では治せないのがウイルス性結膜炎です。細菌よりもさらに小さな微生物が原因となり、このウイルスを効果的に排除する薬がないのです。ウイルスは暖かい所が好きなので、特に夏場に流行しやすい病気です。炎症を抑える点眼薬などを使用しながら治療をしていきます。
これらは人から人へ感染する結膜炎ですが、感染しない結膜炎もあります。それがアレルギー性結膜炎です。
人の体は体内に異物が入り込むと、それを察知して排除しようとする免疫機能があります。この機能が必要以上に敏感に反応してしまい、人体にとってそれほど有害でないものも排除しようと働くのがアレルギーです。主なものでは花粉やダニ、ペットの毛、食べ物があります。アレルギーを抑える点眼薬や炎症を抑える点眼薬で治療していきます。
[図表]結膜炎の種類