前回は、「特別養護老人ホーム」について取り上げました。今回は、自立した生活をサポートする「軽費老人ホーム」の特徴を見ていきます。

特別養護老人ホームと月額費用に大差はないが・・・

●主な設置主体

地方公共団体、社会福祉法人、知事許可を受けた法人

 

●サービス形態

介護保険利用

 

●基本的な性格

低所得高齢者のための住居条件60歳以上、身体機能の低下により自立した生活が困難(A・B型は所得制限あり)

 

●居室タイプ

個室または夫婦2人

 

●医師の配置基準

なし

 

●看護師の配置基準

なし

 

●医療依存度

認知症対応できることもある

 

●入居一時金

0~数百万円

 

●月額利用料

6~20万円(所得に応じる)

 

●入居難易度

待機者あり

 

経済的事情を抱える人や身寄りのない人が、必要最低限の生活支援を受けて自立した生活を送るための施設です。

 

「軽費老人ホームA型」「軽費老人ホームB型」「ケアハウス(C型とも呼ばれる)」の3種類に分けられており、A型は食事サービスあり、B型は自炊ができる人向けとなります。ケアハウスは食事の提供があり、介護つきです。

 

現在のところ、A・B型は縮小の方向にあります。ケアハウスでは介護を受けることはできますが、必ずしも看護師が配置されているわけではなく、重度な医療処置が必要な人は入居できません。ですから、入所している間に医療依存度が高くなった場合は、退居せざるを得ないこともあります。

 

「軽費」という名前はついているものの、ケアハウスと特別養護老人ホームでは月々の費用に大差はありません。しかし、要介護3に満たない人や、有料老人ホームへ入所するだけの資産のない人のニーズには合致した施設といえるでしょう。

医師の配置がないため、入居者自身での通院が必要に

誰でも「安価な施設に入りたい」と思うのは当然のことかもしれませんが、ケアハウスは非常に数が少ないのが実情です。本当にサービスが必要な人が入居するためにも、年金や資産状況に応じて入居者を限定する必要が出てくるかもしれません。

 

医師が配置されていないため、入居者は訪問診療を利用したり、病院へ通院することになります。比較的自立して生活ができている利用者の場合、介護スタッフが気づかないうちに病気を発症していることがあります。診察の際、医師は普段の様子を十分に聞き取るとともに、つき添ってきた介護スタッフからも、食事、睡眠、運動などの状況を確認するように心がけることが重要です。

 

常勤看護師は、すべての入居者を把握しなければなりません。ケアマネジャーとの連携はもちろん、リハビリの対応をしているケアハウスであれば、機能訓練指導員とともに、リハビリ計画を立て、自立した生活が長く続けられるようにサポートする必要があります。

 

[写真1]経費老人ホーム(ケアハウス)

法人グループ内のケアハウス
法人グループ内のケアハウス

 

[写真2]経費老人ホーム(ケアハウス)

法人グループ内のケアハウス
法人グループ内のケアハウス
医療・介護連携で実現する 高齢者のための地域医療

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佐藤 貴久

幻冬舎メディアコンサルティング

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