まずは「上げ幅の半値押し」の数値を計算
日足チャートと時系列データで、お宝チャートのパターンに当てはまることが確認できたら、次は購入の準備を進めましょう。「半値押し」にタッチするのは、ほんの一瞬ということも多いので、銘柄を見つけたらすぐに行動してください。
まず「上げ幅の半値押し」を計算します。株価が暴騰した地点から最高値までが上げ幅で、上げ幅の半分が半値です。「半値押し」は最高値から半値を引いた数値になります。
以下の図表1の場合なら、暴騰のスタート地点は350円、最高値は650円ですから、上げ幅は650-350で300円です。その半値は300÷2で150円です。ということで、半値押しは、650-150=500円となります。
[図表1]「上げ幅の半値押し」とは
この計算をするときに重要なのが、株価暴騰のスタート地点をどこに置くかです。大きく上がり始めるまでは、上昇と下落を小刻みに繰り返す場合もあって迷うかもしれませんが、基本的には「暴騰が始まった日(あるいは目立った陽線が出現した日)の前日の安値」がスタート地点です。チャートと時系列データで、スタート地点を見極めましょう。
「上げ幅の半値押し」が計算できたら、その価格で買い指値を入れます。「指値」とは自分が決めた価格で注文を入れることです。
3回に分けて買い注文を出す「分散買い」を実施
ただ、すべての銘柄がきっかり半値押しで下落が止まり、反発に転じるわけではありません。たとえば、値動きの激しい新興市場の小型株や売買高が少ない(流動性が低い)銘柄が勢いよく下げているときは、半値押し水準では止まらず、そこからさらに5〜10%ほど下落することも多々あります。
そこで、私がおすすめするのが、3回に分けて買い注文を出す「分散買い」です。
投資資金の半分については「上げ幅の半値押し」で指値を入れますが、残りの資金のうち、25%は「上げ幅の半値押し×0.95」、残りのもう25%は「上げ幅の半値押し×0.9」でそれぞれ指値を入れるようにします。
この「3回買い」は、本当に素晴らしい効果を発揮します。半値押しで買った後で株価が下落傾向でも、安心して「もう少し下げろ、下げろ」という気持ちで見守ることができるからです。もちろん、平均購入価格を下げることもできますから、その後の反発では利益をより多く得ることが可能になります。
[図表2]3回に分けて指値買いの注文を入れる…350 円の銘柄が650 円に暴騰。その後、利益確定売りに押され、ズルズルと下落を開始した場合の指値とは?
●資金の50% 上げ幅の半値押し 650円−150円=500円
500円で指値買い注文
●資金の25% 500円×0.95=475円
475円で指値買い注文
●資金の25% 500円×0.9=450円
450円で指値買い注文
ちなみに、半値押しの金額によっては、0.95や0.9をかけた数字が小数点以下になることもあると思います(たとえば、845円が半値押しだとすると、845円×0.95=802.75円)。小数点が出た場合は小数点以下を四捨五入して、803円のような整数にした上で指値を入れてください。
また、株価によって「呼び値」という売買する際の価格の刻み幅が異なります。たとえば、TOPIX以外の銘柄の場合、株価3000円までは1円刻みですが、3000円を超えると5000円までは5円刻みになります。実際に注文する際には、それぞれの呼び値に合わせて金額の調整をするようにしてください。
この3つの指値買いの注文は、いつ出すのがよいでしょうか? 半値押しやその0.95、0.9にタッチするのはごく短い期間のことが多いため、「値動きを見ながら」などと言っていては間に合わない可能性があります。大きく下げ始めたら、その日あるいは翌日の寄付前に、3つの注文をすべて出しておきましょう。
そして、買い注文を出した後は、予想外に下げたとしても弱気になって注文を取り消したり指値を変更したりはせずに、買えることを期待して待っていてください。
次回は、ファーマフーズを例に、分散買いのための指値を計算してみましょう。