ハワイでは子どもに「貯金」は勧めない
日本では、親は子どもに「お小遣いやお年玉は貯金しなさい」と教えますよね。
あるいは、「お母さんに預けておきなさい」と言って、実際はお母さんが使ってしまったりして、ちょっとした詐欺のような感じになっている場合もあります。
ハワイでは、子どもに貯金しなさい、とは言いません。
では、どうしているのかというと、「お金を回しなさい」と教えています。
たとえば、お年玉で10万円くらいもらったら、「何か株を買ったら?」と投資運用をすすめます。つまり、お金を回して、自分が働かなくても入ってくるお金がある、ということを教えるわけです。
現在16歳の息子にも、最近、投資を始めさせました。「銘柄は内緒」と言って教えてくれませんが、どうやら夫と一緒に株を購入したようです。
息子の高校の友だちも、株式投資をしていたり、自分で起業してTシャツをつくって売っていたりする子もいます。
その際、最初の頭金の何百ドルかは親が出していたりすることもあります。「これで自分でやってみなさい」と親が投資して、それを子どもが殖やして利益が出たら返します。
このように、投資する、投資してもらうということに、子どもの頃から慣れさせていくのです。それは、何かしらの能力とお金を動かすことで、「Make Money」できる思考力を身につけさせるためです。
大学のお金で学生たちに投資させる授業も
実際に「Go Banking Rates」の調査によると、アメリカ人の貯蓄額は62%が1000ドル以下のようです。貯蓄が大好きな日本人とは対照的ですね。
大学でも経営学などのクラスでは、大学のお金を使わせて、実際に投資をさせる授業があります。
たとえば、クラス全体に10万ドルを渡し、生徒みんなで運用させ、1年後のこの授業が終わったときに、いくら利益が上がったかを報告させるということをやるのです。そこで上がった利益は、学校の設備を整えるために使います。
ボーディング・スクール(寮生の高校)などでは、同様のことをさせるそうです。
こうして子どもたちは、自分が労働する以外に、どこにどのようなお金を使って動かしていけばいいのか、ゲーム感覚で投資を身に付けていくのです。
たとえ自分や親にお金がなくても、奨学金をもらって勉強すればいいし、いいアイデアがあったらそれを売り込んで、誰かにお金を出してもらって事業もできるというふうに、能力と人脈があれば他人のお金を転がしてお金をつくっていけばいいということが基本の発想になっていきます。
だから、彼らからしてみれば「お金がないから何もできない」というのは、怠慢な言い訳にしか聞こえないのです。