黒字企業が経理にかけている費用は、粗利益の2%程度
読者の皆様に質問があります。あなたの会社では、売上などの数字に対して、いくらまで経理部門に関する経費をかけていいか、そのような観点で経営をしているでしょうか。
営業部門であれば、広告宣伝費は売上の10%以内というように、基準を決めて行っている場合が多いと思います。また、メーカーであれば、人件費をのぞく原材料費は、製品価格の30%以内というように、会社ごとに決められた数値があるはずです。
ところが、不思議なことに経理となると、その基準をもって運営している会社はほとんどありません。黒字企業の多くが経理にかける、いわゆる間接費用は、粗利益の2%程度となっていることがある調査で明らかになっています。また赤字企業の場合、それが4~5%に跳ね上がっています。
[図表1]黒字企業・赤字企業の経理コスト
仮に、従業員数100名、売上高10億円、粗利益が2.5億円の会社があるとしましょう。この会社の経理コストの基準は次の通りです。
2.5億円 × 2% = 500万円
ですから、この規模の会社になってはじめて、経理社員を一人だけを雇うことができます。パートタイマーになれば、正社員の人件費の3分の1程度ですから、半分以下の規模でようやく1名おくことになります。
もちろん、その前に、経理作業全体のスリム化が大前提です。何度も申し上げていますが、スリム化をした上で、外注に出したほうがトータルでコストが下げられるからです。
経理業務のアウトソーシング化で費用を圧縮
また、経理担当者を一人雇えるからといって、その担当者に単なる会計処理や経費精算などのルーティンワークをさせてはいけません。毎月の会計処理、経費精算にはじまり、年一回の決算までを含めて、すべてアウトソーシングしてください。そのほうが、間接業務にかかる費用を抑えられます。
そして、その人件費で、財務担当者として、一人の経理マンを雇うというのも選択肢の一つです。もしくはまとめて会計事務所に任せるのも一つの方法です。
[図表2]経理業務のマトリクス