人々の生活という「大河の流れ」に乗るのが長期投資
長期投資の土壌って? 世界中の人々の毎日の生活と、それを支えてくれる企業の生産および供給活動のふたつが、世界経済のほとんどを形成している。まさに、そこが長期投資家の舞台である。
いまや地球上人口は74億人を越し、2050年には97億人に達しようとしている(国連の人口推計、中位値)。世界の人口は毎日、17万8000人ずつ増えていくのだ。
世界中で増え続けている人々が生きていく上で必要なエネルギーはじめ生活物資の需要は、将来に向けて膨れ上がる一途である。また、どの国の人々もより豊かな生活を求めてやまない。
エネルギーから食料・水・工業製品に至るまで、それらを生産し供給してくれる企業のビジネス活動には、どれだけ巨大な利益獲得チャンスが横たわっていることか。これが長期投資の土壌である。
いってみれば、「世界中の人々の生活という、大河の滔々たる流れ」に乗ろうとするのが、われわれの長期投資である。
大河の滔々たる流れは誰も止めることはできない。流れに棹さしても、大河の流量の巨大さには逆らえない。すぐさま流されるだけである。だから、長期投資はゆったりと大らかに構えるわけだ。
短期運用は「川面のざわめき」に過ぎない
一方、機関投資家の短期ディーリング運用も、オプションや先物取引あるいはヘッジファンドの運用も、しょせん大河の川面のさざ波でしかない。風向きによっては、大河の流れの水面が荒れ狂うことはある。そういったさざ波をとらえて利ザヤを稼ごうとするのが、世のディーリングや短期運用である。
水面に立つさざ波を相手に、オプション取引やデリバティブ取引でどれだけ暴れたところで、さざ波を荒ぶっているだけのこと。世界経済の大きな流れからみれば、川面のざわめきにすぎない。
長期投資家にとっては、どうでも良いことである。