「途中で売ってはいけない」と信じている人も多いが…
よく尋ねられることに、「長期投資って、買った株をずっと持ち続けることですよね」がある。長期投資だから「途中で売ってはいけない、ずっと長期保有しなければ」と、固く信じている人が意外と多い。
それは誤解である。長期投資とはいうものの、値上がりしてきたらいつ売っても構わない。買って2カ月後であっても、堂々と売って投資収益を確保していい。
大事なのは、「長期のスタンスで投資するのだから、3年でも5年でも、平気で待ち続けてやるぞ」と腹がすわっていることだ。「3年でも5年でも、場合によっては10年だって待てるぞ」と思えるからこそ、暴落相場を平然と買えるというもの。
不思議なもので、「3年でも5年でも待ってやる」と腹を括ると、「ここで買うのも、もうすこし下値で買うのも、大して違わない」と思えてくる。そう大らかに構えるから、暴落相場でも案外と気楽に買いを入れられるのだ。
かなりアバウトな買い出動と思われるかもしれない。だが、後になってみると相当に下値近辺で買えて良かったというケースが多い。
暴落相場で大きく下がる局面は、年に2回~4回ぐらい訪れる。ドスーンと下がった後は底練り相場に入っていく。だから、ドスーンときた時どこかで買いにいけば、相当に安いところで買えるはず。
暴落相場が収まってしばらくすると、株価は戻りに入っていく。大きく戻るか小戻しに終始するかは、その時の経済情勢や投資環境による。
ともあれ、すこし戻るだけでも、思い切って買ったものは既に利が乗っている。そこのところは簡単にイメージできよう。
それほど待つことはないのが、長期投資の楽しいところ
とにかく、買う時は「5年でも10年でも、のんびりと待ってやりましょう」で、さっさと行動しておこう。実際には、それほど長期間も待つことはないのが、長期投資の楽しいところである。
やってみれば実感すること。1カ月後から3カ月後には「もう、いつでも売れる」株価水準になっているなんて、長期投資ではザラである。
したがって、1カ月後とか3カ月後に売っても構わない。あるいは、そのまま保有を続けてもいい。すくなくとも、暴落相場を買っておけば、意外と早く「いつでも利益を出せる状態」に達してしまう。一度でも、この快感を実体験すると、「長期投資って楽だよな」とつくづく思うはず。