今回は、株式投資が「財産づくりの王様」と言われる理由を探ります。※本連載は、さわかみホールディングスの代表取締役で、日本における長期運用のパイオニアとして知られる澤上篤人氏の著書、『これが長期投資の王道だ』(明日香出版社)より一部を抜粋し、株式「長期投資」の極意を紹介します。

「投資価値そのもの」が高まっていくのは株式のみ

株式投資は企業の利益成長に参加することである。企業が利益を拡大させれば、配当金を増やしたり、内部留保を高められる。それだけ、投資価値が高まり、株価の上昇も期待できる。つまり、株主の投下した資金が大きく育ってくれるわけだ。これが、株式投資の基本である。同時に、「株式投資が財産づくりの王様」といわれる一番のポイントとなる。

 

世の中にはいろいろな投資対象商品がある。その中で、投資価値そのものが高まっていくのは、株式のみである。

 

債券・株式・商品など投資対象となるものは、いずれもその時々の金利水準とのかねあいで価格が決まっていく。あとは、マーケットでどれだけ人気化するかどうかだ。金など貴金属も同様である。

 

ところが株式だけは、プラス・アルファがついてくる。企業の利益成長という「固有価値の高まり」が、株価に上乗せされるのだ。

 

企業の利益積み増しという投資価値の高まりがある分だけは、間違いなく他の投資対象を圧倒するリターンがもたらされる。だから、株式投資は財産づくりの王様といわれるわけだ。

株価は企業の利益成長だけで決まるわけではないが…

もちろん、企業の利益成長だけで株価が決まってくるというわけではない。なにしろ株式市場への参加者は多種多様で、ありとあらゆる価値観や利益目的を持ち込んでくるものだから。

 

そこで、次回からは株式市場にどんなスタイルの投資家たちや投資手法が顔を出してくるか、サラッと洗い出してみよう。

これが長期投資の王道だ

これが長期投資の王道だ

澤上 篤人

明日香出版社

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