バリ島の不動産市場では、たまに大変なお買い得物件が出現することがあります。しかし、日本人の一般的な投資家は、物件価格に躊躇したり、検討に時間をかけすぎることが多く、なかなか入手にいたりません。今回は、利回りの高いお宝物件をめぐる日本人投資家の行動を通して、バリ島のヴィラ投資の実情について見ていきます。

「想定利回り26.8%」の物件が登場

バリ島の不動産では時々、「おおっ!」と思わず声を上げてしまうような、お買い得物件が出ることがあります。しかし、たいてい日本人は競り負けてしまいます。

 

負けには、2パターンあります。それは、「価格」と「時間」です。


売り主に指値を入れて「価格」の折り合いがつかなければ前に進みませんし、「時間」的にも、こちらより早く手付を打たれれば負けてしまいます。


先日、同じ物件でその両方を経験しました。

 

この物件です。

 

 

【バリ島 サヌール】

想定利回り:26.8%

土 地:540㎡

建 物:200㎡

間取り:3ベッドルーム

権 利:リースホールド10年、延長可

価 格:99,000ドル( 約1,150万円)

利回り:26.8%(想定)

 

 

立地は、ビーチまで徒歩10分以内、繁華街まで5分以内。このエリアの2ベッドルームのヴィラで、1泊180ドルでレンタルしていて稼働率が70%以上の物件を知っているため、3ベッドであるこのヴィラを、控えめに160ドルで考えて稼働率を計算しました。


160$×365日×稼動率70%×諸経費65%÷99,000$=利回り26.8%

 

ちなみに、3ベッドなので1泊200ドルで計算すると、利回りは、想定とはいえ年33%にもなります。

 

これだけ高い利回りなのは、残10年のリースという理由ですが、3~4年でイニシャルを回収できる物件は滅多にありません。また、残10年とはいえ延長可能な物件ですから、10年後に今の相場と変わらなければ、土地部分の延長は、10年で50,000ドルほどなのです。

 

となると、残20年の普通の物件になり、それでも利回りは17~20%。いずれにしろ、これだけの好条件の物件はすぐに売れると考えていました。

セミナーで紹介したところ、2人の手が挙がったが・・・

案の定、セミナーで紹介したところ、2人の投資家の手が上がりました。

 

1人の方は、セミナー後すぐに買うという意思表をしたものの、その方の指値は、80,000ドル。85,000ドルまでなら購入するとのこと。

 

「もともと安い値付けだから無理だと思いますよ。聞くだけ聞いてみますが」

 

ということで、売主に交渉すると、93,000ドルという回答。


93,000ドルだと、利回りは、

 

160$×365日×稼動率70%×諸経費65%÷93,000$=利回り28.5%

 

ここが折り合い所で、手付を打つタイミングだったのですが、その方は、1ヶ月後に訪バリするということになりました。(1ヶ月後だと、まず無理だろう・・・)と思いましたが、まさにその通りになりました。

 

もう1人の方は、セミナーの後に「急いでバリに行くから現物を見せてほしい」とのことでした。何とか予定をつけて、3週間後にバリへ。

 

物件の案内まで少し時間があり、他の物件も視察して比較したほうがよいと思い、数件のヴィラを見せたあと、(さて、いよいよ本命、メインディッシュに行く時間だな)と思ったとき、スタッフに1本の電話が。「本命の物件に、他のお客が手付を入れる」とのこと。

 

朝、確認したのに・・・。

 

その方はガックリしていたけど、こちらもガックリしてしまいました。

 

 

「それでも、せっかく来たので見るだけは見たい」

 

とのことだったので、お連れしました。しかし、見れば見るほど良いヴィラだったので、さらに落ち込んでしまった様子。

 

 

その後、他の物件を3軒ほど案内しましたが、庭をチラッと見ただけで、「もう、いいよ」と、完全に購入する気持ちが失せてしまいました。

 

次の日、もしかしたら手付金が入らずに流れるかも・・・という淡い期待をもって確認しましたが、即日契約終了。完全に夢が絶たれてしまいました。

プロの参入があるものの、まだ勝機はあり

バリ島では、こういう案件が結構あります。そして、たいてい日本人は負けてしまう。残念ですが、ある意味仕方ありません。今、先進国はおしなべて低金利ですから、プロが参入してきているのです。

 

私が物件を買う時には、スペックと価格を比較して、現物を見ないで手付を打ちます。しかしそれは、20軒以上の物件を購入した経験があるからできることですし、なによりも現地の担当者との信頼関係があるから可能なことでもあります。

 

ただ、そういった手付の打ち方ができるプロが参入しているマーケットに、素人が参入できるチャンスがあるということについては、よく考えてみるべきでしょう。バリ島の不動産は、まだまだチャンスがあるのです。

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    本連載は、株式会社IINの代表取締役・三浦純健氏のブログ「バリ島海外不動産投資入門」から転載・再編集したものです。
    その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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