トランプが打ち出している「公共投資」
あとは大企業が利益をため込んでいる内部留保を使わせる必要がある。いま日本の企業が抱えている内部留保はなんと350兆円もある。こんなに企業がリッチな国はほかにない。安倍政権の内部には内部留保に課税しようという案もあるようです。しかし、そんなことをしなくても大企業はもうお金を使わざるをえなくなる。
それはなぜか。一つには、トランプが公共投資を打ち出しているので、アメリカの景気はこれから良くなっていくと期待されている。日米の経済がインフレになれば、お金(マネー)は、勝手に動き出します。
日本経済は、アメリカ経済と切り離せません。アメリカが好況ならば、為替はドル高円安になって、日本株が上がる。ニューヨーク・ダウと日経平均はほぼシャドー相場のように連動しています。トランプが初訪日する予定の2017年の秋頃から年末にかけて、日本の株は上がると私は予想しています。トランプ、安倍の日米首脳会談で、絶対にいい話になる。
日本はアメリカへ「51兆円」ものインフラ投資を提案
この2月10日に安倍首相が訪米してトランプと初会談したときも、日本側からは総額で51兆円にも及ぶ対米投資の提案がありました。政府資金というより、民間資金を活用してアメリカのインフラに投資していくという主旨でした。
この日本側からの提案には、おそらくJR東海の新幹線をアメリカでつくるというプロジェクトなどが含まれているでしょう。アメリカはあまりにも車社会で、自動車がなければどこにも行けない。だから、どうしても通勤用の高速鉄道が必要になってきています。新幹線よりも進んだ最新鋭のリニア新幹線をアメリカに入れるということも十分考えられます。こうした高速鉄道の建設も含めて、トランプが日本を訪問するときに安倍首相は必ず強烈な対米投資を約束する可能性があります。
これは、日本の大企業がお金を動かさざるをえなくなるということです。リニアでも新幹線でもなんでもアメリカに持っていく。つまり対米投資で、日本の大企業のお金が動く。それしか日本ができる対米協力はないからです。
日本の輸出大企業の多くは、いま生産拠点の半分ぐらいはすでにアメリカや海外に出ている。それがさらに増大する。
なおかつ、大企業といえども、これからは人手不足になってくる。これから黙っていても賃金が上がって景気が良くなるという好循環になっていく。安倍首相が以前から主張されていた、いわゆるアベノミクスの好循環がそろそろ始まる。だから、2017年~2018年は「アベノミクス開花の年」だというのです。