
今回は、投資をしない人が「永遠に貧乏」である理由を見ていきます。※本連載は、「富のスペシャリスト」として知られる株式会社スガシタパートナーズの代表取締役・菅下清廣氏の著書、『2019年までに株でお金持ちになりなさい』(徳間書店)の中から一部を抜粋し、2019年にかけての株式相場の見通しをお伝えします。
上がらない賃金・所得が、貯蓄率低下の要因に
いま日本には、金融資産ゼロの人が25%もいるそうです。4人に1人は預金ゼロということです。アメリカは昔からそうでしたけれど、日本もアメリカと同じ状況になってきた。
なぜかというと賃金、所得が上がらなかったからです。あれだけ高かった貯蓄率がどんどん下がってしまった。つまり預金を崩して、生活費に回す人々が増えたのです。その結果、金融資産を持たない人が増えてきた。
トマ・ピケティが明らかにした「貧富の差」
2001年から2006年まで、日本は「いざなみ景気」でした。6年間も景気拡大が続いた。しかし、庶民にはあまり見返りのない、お金が儲かった実感のない景気拡大でした。その間に、生活が厳しいのでみんな貯金を取り崩していた。あれほど高かった日本人の貯蓄率が大幅に下がってしまったのです。
これはグローバリズムの進展によってアメリカで起きた格差の拡大と同じことが日本でも起きていたということです。金融資産を持っている人と持てない人で貧富の差が拡大しているのです。
それはトマ・ピケティが書いてベストセラーになった『21世紀の資本』で有名になったr>gという不等式そのものです。
この方程式は、GDPの成長率g、つまり賃金や所得の増加よりも常に金融資産などからの資本収益率rが上回ることを示しています。金融資産を持っていない人は、持っている人よりも必ず貧乏だという冷酷な事実をピケティは突きつけたのです。