日本人にデフレマインドを植え付けたバブル崩壊
資産といえば株と不動産がその代表ですが、私は株のほうがいいと思います。不動産は流動性に欠ける上に、税制面でも取り扱いがややこしい。株は源泉分離だから簡単です。また換金したいときは、大抵の株は、即日可能です。本当は株売却益、キャピタルゲインの税率20%を以前のように10%にすれば、もっと株は上がります。
日本の場合、多くの人がいわゆるバブル崩壊のときに大損をして、もう二度と株なんかやるものかという人ばかりになってしまった。不動産も同じです。バブル崩壊後の不動産価格の値下がりは、異常なほどでした。
1990年代をピークとした日本経済のバブル崩壊、株価、不動産の大暴落は、その後20年以上にわたって日本人の心の中にデフレマインドを植え付けたのです。
だから、この日本の投資家の意識を変えるだけで、日本株は何倍にもなる可能性がある。なぜなら、アメリカの株価は当時から3倍にもなっているのに、日本はいまだ1996年の高値を超えていないからです。
それはなぜかというとデフレマインドが払拭されていないからです。銀行の定期預金に2%〜3%の金利がつくまではデフレマインド脱却が実現しないでしょう。
黒田総裁の退任が、株式相場を大きく左右する可能性も
デフレマインド脱却のためにはやはり株が上がらなければだめです。金利は先に上がりません。というのも、いまの日本銀行の黒田東彦総裁が、2016年1月にマイナス金利を導入してしまった。さらに金融政策を量的緩和から金利のコントロールに変えている。長期金利をゼロ%のところへ押さえ込む政策への転換です。日銀はゼロ%の長期金利コントロールとマイナス金利で、いまの相場の敗北者になってしまった。これでは人々のデフレマインドの脱却はできません。
黒田東彦日銀総裁の任期は来年2018年4月までです。おそらく黒田総裁は退任するでしょう。そうすると、ここから日銀の金融政策は変わってくる。この日銀総裁の交替も株式相場に大きな影響が出てくることが予想されます。