次々と発見される、毛周期に関与する細胞成長因子
毛が生えるメカニズムにおいて、最も重要な役割を果たすのが「細胞成長因子」です。
薄毛については明らかになっていない領域が多かったものの、近年、毛周期に関与する細胞成長因子が次々と発見されています。そのひとつひとつの役割がすべて解明されているわけではありませんが、まず以下の図表をご覧ください。
[図表]主な細胞成長因子
細胞成長因子とは、特定の細胞の分化や増殖を促進させたり、後退させたりする内因性のタンパク質の総称です。つまり、細胞成長因子といっても髪を増やすうえではよいものと悪いものがあるということです。ここではそのどちらも含め、特に毛周期に関与する注目すべき細胞成長因子について説明しておきましょう。
髪の細胞成長因子の中で最も重要な「KGF」「FGF7」
●KGFまたはFGF7(ケラチノサイト成長因子)
髪の細胞成長因子の中で最も重要とされるもので、毛周期の成長期を促進し、毛母細胞を直接刺激して分化・増殖させ、毛幹を太くします。核酸の一種であるアデノシンの働きによって毛乳頭細胞からのKGFの分泌が増加するため、アデノシンを主成分とする育毛剤も販売されています。
この話は次回に続きます。