65歳から平均余命まで・・・必要となる「生活費」はいくら?

今回は、65歳から平均余命までに必要となる「生活費」はどのくらいかを見ていきましょう。※本連載では、高齢者が貧困に陥るきっかけとなる無駄な医療を受けずに、人生をまっとうするために知っておくべきことについて、データを基に解説します。

ゆとりある暮らしをするには「8500万円」必要!?

高齢者のなかには歳をとっても、自分が貧困層に転落することはないだろう、たぶん何とかなるに違いないと高をくくっている人も少なくないでしょう。しかし、その見通しは甘いかもしれません。

 

生命保険文化センターが行った意識調査によれば、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均22.0万円でした。また、旅行やレジャー、趣味、教養など、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常の生活費以外に必要と考える金額は、平均13.4万円となっています。

 

つまり、ゆとりある暮らしをするためには、月額で35.4万円が必要になるというわけです。

 

厚生労働省の「平成26年簡易生命表」によると、65歳時点の平均余命は、男性が19.29年、女性が24.18年となっています。もし、65歳の夫婦が2人揃って20年間生きた場合、毎月の生活費が22.0万円だったとしても、「22.0万円×12か月×20年=5280万円が必要になります。

 

また、ゆとりある暮らしをしたいと考える場合は、「35.4万円×12か月×20年=8496万円」つまり約8500万円が必要だということになります。

年金だけではとても十分とは言えない

足りない生活費については、預金を取り崩しながら生活しようと考えている人も多いでしょう。ところが、実際は老後の蓄えが十分でない高齢者が多いのです。

 

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、高齢者世帯のなかで貯蓄がまったくない人は16.8%もいます。一方、貯蓄額が1000万円を超えている人は、32.7%です。こうしてみると預金をあてにできる高齢者はそれほど多くないのが現実です。

 

[図表1]高齢世帯貯蓄額

厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概要」より作図
厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概要」より作図

 

[図表2]高齢世帯借り入れ金額

厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概要」より作図
厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概要」より作図

 

そうなると、頼りになるのは年金しかありません。しかし、年金だけで十分な暮らしを送るのは難しいでしょう。

 

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)―平成27年(2015年)平均速報結果の概況―」では、仕事をしていない高齢者夫婦(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の家計収支についてまとめています。

 

それによれば、毎月6万2326円、1年当たり約75万円の赤字が出ているということです。

 

[図表3]高齢夫婦無職世帯の家計収支

総務省統計局「平成27年家計調査報告・家計収支編」より作図
総務省統計局「平成27年家計調査報告・家計収支編」より作図

医療法人 八事の森 理事長

医療法人八事の森理事長(杉浦医院院長)。NPO法人ささしまサポートセンター理事長、NPO法人外国人医療センター理事、名古屋労災職業病研究会代表。1970年生まれ、1998年名古屋市立大学医学部卒。宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院で内科・小児科から救急、ホスピスでの緩和医療まで幅広く研修。2000年名古屋市立大学臨床研究医、名古屋市立東市民病院(現・名古屋市立東部医療センター)で外科医として勤務。2010年4月から杉浦医院の副院長、2011年1月より院長に就任。

著者紹介

連載崩壊寸前!? 「高齢者医療」の現状と課題

長寿大国日本と「下流老人」

長寿大国日本と「下流老人」

森 亮太

幻冬舎メディアコンサルティング

日本が超高齢社会に突入し、社会保障費の急膨張が問題になっている昨今、高齢者の中で医療を受けられない「医療難民」、貧窮する「下流老人」が増え続けていることがテレビや新聞、週刊誌などのメディアでしばしば取り上げられ…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧