使っていない不動産なのに、固定資産税の負担が…
前回の続きです。
また、不動産を共有している場合、固定資産税などの税金は共有者全員の連帯債務になります。納税通知は共有者の代表者に届きますが、そこに記されている税金の額をみなで負担しなければならないわけです。
課税対象となる不動産を住居などに利用しているのであれば「税金を払うのは仕方がない」と納得できるでしょう。しかし、共有している不動産が親から相続した実家の土地・建物のようなケースでは「そこに住んでいるのは兄貴だけなのに、自分も税金を負担している」という例が少なくありません。
もしそうであれば、「なぜ、自分が使ってもいない不動産のために税金を支払わなければならないのだ」という気持ちになるかもしれません。
共有者が兄・姉だと、弟・妹は賃料を得られないことも
本来、このように共有名義不動産に住んでいる共有者に対して、他の共有者は賃料に相当する金銭を請求することができます。
しかし、住んでいる共有者が親族の場合、とりわけ兄や姉のような年上の家族の場合には、なあなあで済まされてしまい、他の共有者は賃料を得られないことが珍しくありません。
「税金を負担させられるのなら、せめて賃料は払ってほしい」と思いながらも、弟や妹という立場にあるため強い態度に出ることができず、不満をためこみながら問題の解決をあきらめている場合がほとんどなのです。