共有がある場合に、それぞれの所有権を表す「持分」
そもそも「共有名義」の「共有」とは、当然ながら、1つのモノを1人ではなく数人で所有している、所有権(モノを所有する権利)を複数の人が持ち合っている状態です。
たとえば、夫が妻にダイヤモンドの指輪をプレゼントしたとします。この場合、指輪は妻1人だけの所有物のため、共有にはあたりません。それに対して、父親が息子と娘に「お前たちに車を買ってやろう。一緒に仲良く乗りなさい」と言って1台の自動車を贈与した場合には、その自動車は子ども2人の所有物となるため、共有になります。
そして、このように複数の人が1つのモノを共有している場合に、それぞれの人がそのモノについて持つ所有権を「持分」といいます。
後述しますが、モノを共同で所有する形には共有以外にも複数のタイプがあり、その中には「持分」が認められないものもあります。また、持分が認められていても、その自由な処分が許されていないものもあります。
それに対して、共有の持分(共有持分)は、自由に処分することが可能ですし、また持分の割合に応じて、共有しているモノを分割するよう請求すること(目的物の分割請求)も認められています。
共有名義不動産はどのように登記されるのか?
また、共有されているモノは「共有物」と呼ばれ、これを所有している人たちを「共有者」といいます。
「共有名義不動産」とは、「共有物」となっている不動産、言い換えれば複数人の「共有者」の共有名義で登記されている不動産なのです。
共有名義不動産の登記では、共有者の共有持分が「共有者東京都○○区○○持分10分の9○田○夫」などという形で記載されることになります。
また、共有の対象となる不動産は一軒家、マンションの1室、アパート1棟、あるいは(建物が建っていない)土地のみなど様々です。