資金力がないホールは消えていくしかない!?
利益額を増やすためには稼働を上げることが必須であり、稼働を上げるためには新台入替かイベントが効果的というのはこれまでの業界の常識でした。しかし、規制強化や客層が変化した現在では、もはやその常識は通用しません。
一方で、大手ホールは資金力を武器に差別化を図り中小ホールとの格差を広げつつあります。利益率の極端な切り下げや大型版権機種の大量投入など、ジリ貧ホールには真似のできない策を次々と打ち出し、シェアを拡大し続けているのです。
そのため、今後さらに厳しい時代が続くと予想されている中、「資金力がないホールは淘汰され消えていくしかない」と悲観的に考える店長は少なくありません。
しかし、新台入替に頼らず大手ホールに対抗する手段は存在します。既存のイベントや新台入替に頼らずジリ貧を抜け出したB店を例に解説していきます。
以前は仕事帰りのサラリーマンが多数来店していたが…
[図表]B店のプロフィール
都市部の駅前にあるB店は、新台入替の効果が薄れていく中、効果的な戦略が立てられず、右肩下がりの状況が続いていました。系列の店舗はわずか3店、1店舗あたりの台数は300台程度という小規模ホールです。
本社の営業部長は現場からのたたき上げで、集客と言えば「新台入替」と「イベント」しか頭にありません。店舗が乗降客の多い駅前の商店街にあるため、かつては仕事帰りのサラリーマンが多数来店するなど稼働に困ることはありませんでした。そのため、月2回の入替を行い、毎月定例のイベントを打つだけで高稼働を維持できたのです。
ところが、時代が変わり自由に使えるお金が減ったサラリーマンの客足は遠退いていきました。イベントはほぼ不可能となり、新台入替の効果もほとんど感じられない状況ですが、店長が「稼働が落ちた」と報告すると、本社から返ってくる答えは決まって「出せ」「入替をしろ」という指示のみ。しかし、稼働が落ちるのが怖くて「取る」という決断ができないため、資金を作ることができません。結局、営業部長の経験則に振り回されて場当たり的な営業を続けることとなり、遊技客からの支持はどんどん失われていきました。
B店はついに稼働が商圏にある6ホール中5番目にまで落ち込んでしまったのですが、さらに追い打ちをかけるような大問題が発生します。
次回は、B店の解決策を見ていきます。