本連載は、社会保険労務士、社会福祉士の資格を活かしたコンサルタントで、「福祉介護業界」に特化した人事制度や労務管理へのアドバイスを全国の顧問先で行う、株式会社シンクアクト代表・志賀弘幸氏の著書、『ビジネスとしての介護施設』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、介護施設の経営改善策を解説していきます。

自分では「不満に対処している」つもりでも・・・

介護業界のみならず現場には少なからず不満はあるものです。不満のない職場などは決して存在しないでしょう。では、その不満に対して経営者やリーダーはどのような対応をしているでしょうか?

 

・自らすぐに不満を聞くようにしている

・申し出てくるまで少し様子を見る

・他人に対応を任せる

 

……その状況に応じて対応しておられることでしょう。

 

私は日々社労士として、職場におけるさまざまな問題や不満に対してどのように対処したらよいか、経営者やリーダーからたくさんの相談を受けています。その中でいつも思うことは、「みなさん、本当に一生懸命かつ真剣に対応しておられる!」ということです。

 

それなのに、よく耳にするのは、すぐに対応しているのだけれども、どうもその不満がおさまらないとのぼやき。それどころか、悪いうわさが拡散している、というものまであります。それはどうしてでしょう? 要するに、対処しているつもりでも、残念ながらその不満に対してきちんとした対応ができていない、ということになります。

 

[図表]平成26年介護労働実態調査結果 介護労働安定センター

 

上の表は介護現場をなぜ辞めたのかという調査結果です。介護現場は女性が多い職場であることから、不満といってもある傾向が強くあることがわかります。

退職理由として最も多いのは「人間関係」の問題

先の調査結果や私の経験からお伝えしますと、「人間関係」に関する不満が断然多いです。それはお伝えするまでもなく、みなさんよくわかっておられることでしょう。次に「経営方針・経営者」に関する不満が挙げられます。

 

「人間関係」に関する不満は、簡単に言ってしまうと「好き嫌い・相性の問題」と言うこともできます。仕事をしているわけですから「あの人は嫌い」「相性が合わないから関わりたくない」などは通じないはずですが、「好き嫌いの感情」が理由で退職してしまうケースは結構あります。

ビジネスとしての介護施設

ビジネスとしての介護施設

志賀 弘幸

時事通信出版局

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