今回は、建設会社がどんぶり勘定であったがために、会社の資金を無駄にしてしまったケースを見ていきましょう。※本連載は、株式会社アイユートの代表取締役で、中小建設業専門の財務・原価コンサルタント、経済産業省後援ドリームゲート・アドバイザーも務める服部正雄氏の著書、『小さな建設業の脱! どんぶり勘定 事例でわかる「儲かる経営の仕組み」』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、建設業の生死を分ける「資金繰り」について解説します。

「請求書のチェックが甘い会社」は少なくない

前回の続きです。

 

中小建設業においては、自社で抱える一人親方の職人さんへの支払いは、社員の給与と同様に、同月内に現金払いというケースが多くあり、どうしても「支出は早く、回収は遅く」になってしまいます。さらに、請求書のチェックが甘い会社も少なくありません。

締め日と請求額の確認を怠り、二重払いに…

私が担当していた会社で、実際にあったケースをいくつかご紹介します。

 

◆D社のケース

職人さんが数名いる外注先のE社から、毎月、エクセルで作成された請求書が届いていました。E社は、前月のエクセル請求書をコピー&ペーストして日付を修正し、請求内容を上書きしていたようです。

 

ところが、毎月一番下の行の項目がコピペされたまま残り、数カ月間ずっと請求され続けていたのです。D社側は請求内容のチェックが不十分で、請求された金額をそのまま支払っていました。私が気付いて指摘しなければ、もっと長い間、重複したまま払い続けていたかもしれません。

 

◆F社のケース

材料の仕入れ先であるG社への支払い条件は「20日締めの翌月20日払い」でしたが、11月は20日が休日だったため、10月20日締め分を11月21日に支払いました。

 

ところが12月、G社から届いた11月20日締め分の請求書には、前月繰越額(10月請求額)と当月仕入分の請求額(11月請求額)が合算されて、今回請求額として表示されていました。それに気付かず振り込んでしまったため、10月分を2回支払っていました。

 

◆H社のケース

元請先のI社から、500万円の工事代金を5回に分割して、毎月100万円ずつ振り込まれることになっていました。しかし、I社の経理のミスで、6カ月目も100万円の振り込みがあったのです。

 

100万円もの過入金なんて考え難い話かもしれませんが、5カ月続けて振り込み手続きを行っていたため、うっかり振り込んでしまったのでしょう。慣れとは怖いものです。

 

改めて申し上げるまでもありませんが、お金を支払うときも、受け取るときも、くれぐれも慎重に。念には念を入れて確認しましょう。

小さな建設業の脱! どんぶり勘定 事例でわかる「儲かる経営の仕組み」

小さな建設業の脱! どんぶり勘定 事例でわかる「儲かる経営の仕組み」

服部 正雄

合同フォレスト

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