前回は、失明のリスクもある「急性緑内障発作」の概要を説明しました。今回は、連載第7回に引き続き、緑内障に関する疑問をQ&Aで紹介します。

白内障の手術をすれば、特別な制限は必要ない

Q:眼科で、狭隅角で急性の発作を起こすかもしれない目と言われました。白内障の手術をすると急性緑内障発作のリスク回避ができるとのことなので、予約をしましたが、あと3カ月後です。読書や睡眠薬服用など、緑内障の人がだめなことはやらないようにと言われました。何か気をつけることはありますか。

 

A:白内障の手術をすれば、隅角といって眼内の水が流れ出るスペースが広がるので、まず制限は必要ないと思います。どの程度狭隅角かで現在どの程度注意したほうがいいかが決まってきますので、お話だけからは何とも言えないですが、3カ月先に手術が設定されている状況から考えて、いますぐ発作が起きる可能性は低いと思います。

散瞳検査は、ときに急性緑内障発作のトリガーに…

Q:急性緑内障発作に、気を付けるように言われています。この度、白内障の手術をすることになり、手術前検査が来週あります。検査の内容をみると瞳孔を開く検査があるようですが、その際に急性緑内障発作を起こさないか心配です。

 

A:私たちのクリニックでは緑内障発作を起こす可能性がある場合、術前検査では散瞳(瞳をひらく)検査はしていません。散瞳検査はときに急性緑内障発作のトリガーになることがあるからです。このため、眼底検査などは術後にすることになると思います。

レーザーがどの程度角膜に後遺症を残すかは不透明

Q:閉塞隅角と診断されています。白内障は発症していません。去年の春にレーザー虹彩光凝固術を受け、数カ月で穴は閉鎖したため、再度のレーザーを考えましたが、角膜への負担が大きいためもうレーザーはできないと言われました。しかし、他の眼科を受診したところ再度レーザーをするべきと言われ、どうしたらいいのか迷っています。

 

A:今のレーザーなら全く角膜への後遺症がないかというと、それはまだわかっていません。閉塞隅角がどの程度で急性発作のリスクがどの程度あるかで治療方法がかわってくると思います。

 

発作の危険性が高いようであれば、レーザーを再度行います。また角膜への障害を心配されるようであれば、白内障手術を受けるというのもひとつの選択肢です。今後年齢による白内障の進行に伴って隅角はさらに狭くなってくる可能性が高いからです。

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