調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
5/19(日)>>>WEBセミナー
定着度を測る成果指標「KPI」の好評を働きかけ
前回は、金融事業者の業務運営の現状と課題を具体的な事例も含め解説しました。今回は、金融庁が公表した「『顧客本位の業務運営に関する原則』の定着に向けた取組み」から、「顧客本位の業務運営に関する原則」の定着に向けた具体的な取組みについて解説します。
1.金融事業者の取組みの「見える化」
●各金融事業者においては、顧客本位の業務運営の定着度合いを客観的に評価できるようにするための成果指標(KPI)を、取組方針やその実施状況の中に盛り込んで公表するよう働きかけを実施
●本年6月末から当面四半期ごとに、取組方針を策定した金融事業者の名称とそれぞれの取組方針のURLを集約し、金融庁ホームページにおいて公表
2017年4月の「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における森金融庁長官基調講演で「顧客本位を口で言うだけで、具体的な行動につなげられない金融機関が淘汰されていく市場メカニズムが、有効に働くような環境を作っていく」と講演され、金融庁の取組みへの本気度が感じられました。
金融庁は次で挙げられているように、各金融事業者が自発的に経過報告を実行し、当局がその内容を適時把握、金融業者との対話を実施、把握した事例等を公表することを検討しています。
2.当局によるモニタリング
●金融事業者における業務運営の実態を把握し、ベスト・プラクティスを収集
●収集されたベスト・プラクティスや各事業者が内部管理上用いている評価指標などを基に、金融事業者との対話を実施。「原則」を踏まえた取組みを働きかけ
●各金融事業者の取組方針と、取組みの実態が乖離していることは無いか等について、当局がモニタリングを実施
●モニタリングを通じて把握した事例等については、様々な形での公表を検討
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これまでと異なる販売チャネルの活用が重要に
3.顧客の主体的な行動の促進
●実践的な投資教育・情報提供の促進
- 投資初心者向けの教材を関係者で作成し、広く活用
- 商品比較情報等の提供のあり方について、ワーキンググループを設置し、議論を整理
●長期・積立・分散投資を促すためのインセンティブ
- 積立NISA対象商品の商品性の基準の公表
- 上記を踏まえ、長期・積立・分散投資に適した投資信託の提供促進
4.顧客の主体的な行動を補う仕組み
●第三者的な主体による金融事業者の業務運営の評価
- 客観性、中立性、透明性が確保される形での、民間の自主的な取組みを引き続き促進
●顧客にアドバイス等を行う担い手の多様化
- 販売会社等とは独立した立場でアドバイスする者などに対する顧客のニーズに適切に対応できるよう必要な環境整備
米国では広く普及している、IFA『Independent Financial Advisor』独立系ファイナンシャルアドバイザーや投信会社の直販など、これまでの販売チャネルとは違うチャネルの活用なども重要であると指摘しています。
次回は、8月1日に金融庁から公表された「顧客本位の業務運営に関する原則」を採択し、取組方針を公表した金融事業者のリストの公表(第1回)についての内容を見ていきます。
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