投資は「イチかバチか」のギャンブルのようなもの?
《相談者(聞き手)の紹介》
山田(35歳・男性)
普通の会社員。5年前に結婚して、子どもは2歳の娘がひとりいる。3年前に戸建てのマイホームを購入。現在の年収は500万円で、世帯収入の合計は800万円(夫婦共働き)。毎月3万円を貯金していて、現在の貯金は200万円。今までに投資経験はなく、保険は生命保険と医療保険に加入している。
高橋:投資について、どういうイメージを持っていますか?
山田:正直に言って、怖いなぁと思います。儲かるかもしれませんが、損しそうな気がして・・・。イチかバチかのギャンブル、のようなイメージでしょうか。
高橋:なるほど。確かにギャンブルの要素もありますが、それだけではないんですよ。投資=ギャンブルと考えている人は、きっと投資のことをあまり知らないのだと思います。
山田:(ギクッ)
高橋:投資と言っても、いろいろあります。広い意味での投資は、リターンを期待してお金を投じること。お金を増やすことが目的なので、ギャンブルや宝くじ、FXも広い意味では投資です。
山田:宝くじも投資なんですね。
高橋:投資です。いくらかのお金を投資して、大きなリターンを狙っているわけですから。また、FXを含めた為替の取引は、誰かが儲かれば、誰かが損をする仕組みです。全体のお金をみんなで奪い合っているので、全体のお金は増えていません。
山田:みんなのお金が増えるということは、あるんですか?
高橋:実は、あります。
山田:それを聞きたい!
お金を経済活動に投じる=本質的な意味での投資
高橋:その前に、資産運用の話をさせてください。資産運用の目的は、自分の予想通りに株価が上昇したときに一瞬の快楽を得るためではなく、将来の大切なお金をできる限り安定的に成長させていくこと。
山田:それを望んでいます。
高橋:本質的な意味での投資は、お金を経済活動に投じること。投資した資金を活用してもらい、新しい価値(新しい商品やサービスなど)を創造してもらう。そして投資した人は、その価値の一部を投資のリターン(配当)として受け取ることができます。
山田:言っている意味はなんとなくわかるのですが、それが「みんなのお金が増える」ことと、どう関係があるんですか?
高橋:慌てないでください。重要なのは、「時間をかけて成長させていく」こと。つまり、全体の価値が上がれば、投資した人全員が儲かることも、実際に可能なんです。
山田:それは理想的ですよね。
高橋:そのためには、すぐに儲けようと思わないこと。長期的な視点でお金を少しずつ増やしていくことを考えたほうがいいと思います。
山田:リスクはないんですか?
高橋:もちろん少なからずリスクはありますが、ある方法を使えば、ほとんどリスクなしに資産を増やすことができます。
山田:それを知りたい!
高橋:それは後で述べるとして・・・。とりあえず、ギャンブルの投資と全体で価値が増えていく本質的な投資を分けて考えるべきだと、わかってもらえたでしょうか?
山田:投資は、勝ち負けのギャンブルだけじゃないってことですね。それならば、僕でも投資に踏み込めそうな気がします。
高橋:私がすすめているのは、安定的な資産運用をして、大事なお金を守ること。なので、ギャンブルのような投資は、おすすめできません。そういった投資を否定するつもりはありませんし、経済のメカニズムとしては必要な要素でもあるとは思っています。ただ、資産形成にはそぐわないということです。