真の生活再建には「心のケア」も重要
住宅ローン破綻はほとんどの場合、複雑な心の問題とリンクしています。そのため実務だけでなく心のケアもできなければ、真の生活再建にはつながりにくく、任意売却の成功率も低下します。
たとえば夫婦間に軋轢があれば、そのことが任意売却の成功率を大きく押し下げてしまうことがあります。夫は任意売却しかないと理解しているが、妻は「こうなったのは夫のせい」と不満を抱えている状況だと、「物件の内覧に妻の協力が得られない」などの障害が発生します。
もっとも大切なのは「担当者との相性」
任意売却を成功させるためには「そもそも妻は夫のどういう行動に不満を抱いているのか」「夫はそのことをどう考えているのか」ということまで掘り下げてお互いの理解を深め、夫婦の協力関係を築くことが欠かせません。それにより任意売却が終わった後、円滑に生活再建を進めることが可能となります。
したがって住宅ローン破綻について相談・依頼する相手を選ぶ時にもっとも大切なのは「担当者との相性」だと私は考えています。信頼して打ち明け話ができる相手でなければ、経済的な大きな危機に瀕し、強いプレッシャーを感じている中で、心の奥に抱える悩みを伝えるのは難しいでしょう。
会社を選ぶことも大切ですが、それにも増して担当者が自分にとってフィーリングの合う人かどうかを重要な判断基準とするのが、正しい相談・依頼先選びといえます。