悪徳業者への依頼は貴重な時間のロスに…
アプローチ方法に問題があっても、依頼した仕事をしっかりとしてくれるなら、債務者にとって大きな不具合は発生しません。ところが悪徳業者には「依頼を放置する」という困った性癖があります。
ほとんどの悪徳業者は単独で事務所を開いているか、人を雇っていたとしても1人か2人という零細企業です。手がけられる業務には限界があるので、専任媒介契約をとったものの「儲けが少ない」と判断した依頼は放置してしまいます。
その際、「うちではやれない」という連絡を入れることもありません。債務者は任意売却を進めてくれているものだと考えて、ただ待つことになります。
任意売却において、時間はとても大切です。開札までというタイムリミットの中で、できるだけ早く結果を出す必要があるにもかかわらず、悪徳業者に依頼してしまった債務者はその時間を失ってしまうことになるのです。
そのあげく、ギリギリのタイミングで信頼できる専門業者に乗り換えたとしても、任意売却の成功率は大幅に下がってしまいます。競売になってしまい、債務者は大きな不利益を被るケースが多々見られます。
悪徳業者との契約は解除し、良心的な業者に乗り換えを
住宅ローン破綻はほとんどの人にとって初めての経験です。どの任意売却専門会社がよくて、どの会社が悪徳なのかを判断するのは簡単なことではありません。悪徳業者の中にも人当たりがよく、さも依頼人のことを真摯に考えているかのように対応するものもいます。
専任媒介契約を結んだ後しばらくして、「ほとんど活動してくれている気配がない」などと気づくことがほとんどです。悪徳業者とは契約しないことがまず大切ですが、契約してしまった場合には契約を解除する必要があります。後になって信頼できそうな任意売却専門会社が見つかったら、ためらうことなく乗り換えることで、しっかりとしたサポートを受けることができます。
先に契約を結んでいた悪徳業者は異議を申し立てたり、「違約金を支払え」などと要求してくることがありますが、応じる必要はありません。違約金は発生した損害の代償として支払うものです。なにも活動していない悪徳業者に損害はないため、たとえ裁判になったとしても請求が認められることはありません。
そもそも任意売却を必要とする債務者には財産がないので、資料をそろえて請求したところで、違約金を取れないことは悪徳業者も理解しています。依頼先を乗り換えても面倒なトラブルが起きることはないので、債務者は自身の利益を最優先すべきです。