現場を担う工務店ではフルオーダーも可能
前回の続きです。
3.工務店・ビルダー
工務店とビルダーですが、施工棟数やエリアなど厳密に定義されているわけではなく、会社によって自己申告というのが現状です。
工務店は、地元密着型で長年コツコツやっている小規模企業という印象があるかもしれません。そうした規模の会社が多いことは確かですが、社員を何百人も抱えたハウスメーカー並の工務店もあります。その規模は最も幅広く、安かろう、悪かろうの業者から、親身にお客様のことを考えた家づくりを大切にする業者まで、実は施工品質に最もばらつきが大きいカテゴリーなのです。
最近では、自然素材に特化したり、デザイン、エコロジー、高気密・高断熱性などを重視したりと、さまざまな独自性をアピールする工務店も増え、ファンをつかんでいます。
実際にほとんどの現場を担っているのは工務店なので、注文住宅のみならず、建売り住宅の建築も工務店が行っているケースが多いです。唯一フルオーダーの注文住宅が頼めるのも、こうした工務店の一部であるわけです。その多くは地元に精通しており、経営者の家づくりに対する姿勢がダイレクトに現場に引き継がれると言えます。
ただし、たとえば施工技術は高くてもデザイン性や設計提案力にやや欠けたり、独自性を強く出すあまり他の工法や施工を受け入れないなど、得手不得手がはっきり出てしまうことが多いというデメリットもあります。
ビルダーは、中小というよりは中堅企業で、たとえば1000棟規模で住宅を建築しているパワービルダーが代表的な存在です。
自由で個性的なデザインを重視するなら設計事務所へ
4.建築家や設計士などの設計事務所
建築家や設計士などの設計事務所は、デザイナーズ住宅に代表される従来の家づくりの概念にとらわれない自由でこだわりのある設計が特徴です。斬新で個性的なデザインが何よりの強みで、狭小や変形の敷地にもフレキシブルに対応しているケースが多く見られます。
ただし、個性の強いアーティスト志向の建築家や設計士との相性が問われ、デザインを重視するあまり、施主の意見が尊重されにくかったり、暮らす人にとって機能性やメンテナンス性に優れた住宅が出来るとは限らなかったりというリスクもあります。