建築請負契約を結べば、その後の不利益も「自己責任」
建築請負契約は、契約を結んだ段階でたとえその後に不利益が生じても、契約した当事者の自己責任とされてしまいます。きちんとした説明を受け納得して契約した場合も、内容が曖昧なまま勢いで契約した場合も同じです。
クレームとなる手抜き工事、または言った、言わないといった不安なやり取りや動向などは、契約するまでの打ち合わせの段階で、多くの施主が多かれ少なかれその予兆に気づいているはずなのです。「おかしいな」と思っても「このタイミングを逃したら・・・」などとスルーして契約してしまえば、それは気づかなかったのと同じです。時間がかかっても、この住宅会社なら大丈夫と確信し、本気で納得出来てから初めて契約する。大切な家を守るには、それしかありません。
一刻も早く「客と縁を切りたい」と思っている住宅会社
繰り返しになりますが、まだまだ多くの住宅会社が、お客様の利益よりも、自分たちの利益を大切にしている業界です。組織が大きくなればなるほど、お客様がなぜその「家」を建てようと思ったのかといった、背景や想いをわかろうなどとはしません。
さまざまなアンケート調査を見ると、その住宅会社を選んだ理由の第一位は「営業マンが気に入ったから」なのです。彼らは、「お客様とは一生のお付き合いです」と言います。そこまでではなくとも、「永いお付き合いになります」と言います。
しかし、大手ハウスメーカーなどの場合、営業マンは最長でも5年単位で異動してしまいます。馴れ合いを防ぐためです。お客様から評価される営業マンほど、そうした付き合いが足かせになって新規受注に影響が出てしまうからです。ですから、意図的に配置転換をして、過去のお客様を断ち切ります。そうして新規営業に力を入れるのです。
ある営業マンが「永いお付き合いをしたい」と本気で思っていても、住宅会社がそれを許さないのです。お客様には「一生のお付き合い」と言いながら、住宅会社は、一刻も早く現場を終わらせ、縁を切りたいと思っているものなのです。ですから契約を勝ち取れば、彼らは自分たちの仕事は終わったと判断します。残念なことですが、それが現実です。