積極的に活用したい、公庫や自治体の公的融資
資金を借りるというと真っ先に通常の銀行融資が思い浮かぶでしょうが、起業する際は、公庫や地方自治体など公的な融資で資金を調達するのがベストです。というのも、銀行は一般的に、決算が2回終わるまでは銀行融資をしないからです。
これに対して、公庫や地方自治体は起業を支援するさまざまな制度を設けています。とくに、シニア層や女性を優遇する制度は意外に多いので積極的に活用したいところです。
●大きく3つの融資先がある
資金の調達先について簡単にまとめましたので見ていきましょう。○はメリット、×はデメリットを示しています。
①日本政策金融公庫
「新創業融資制度」があり、経験を活かして起業する熟年層のもっとも代表的な選択肢です。融資限度額は3000万円ですが、1000万円超は本部決裁となりハードルが高いのが現実。
○申し込みから融資実行まで数週間から1か月程度と非常にスピーディ
○無担保・無保証で、経営者本人が連帯保証人として署名する必要がない
×金利が若干高い(新創業融資制度は年利2.4%程度)
自治体によっては「利子補給制度」がある場合も
②自治体
都道府県、市区町村による産業振興などを目的とした創業融資です。
○自治体により利子補給制度がある(2%程度補給されると年利1%程度に)
○自治体により信用保証料の補給制度がある
×審査を経て融資を受けられるまで2、3か月と長くかかる
×自己資金要件が2分の1と厳しい場合が多い
③民間金融機関
信用金庫などによる創業者向けの融資制度です。
○融資が決定するまでが早い
○審査に通れば、それだけ信頼度がアップする
×審査基準が厳しく、金利も高め