今回は、創業融資の審査を通すために活用したい「専門家のサポート」について見ていきます。※本連載は、起業コンサルV-Spiritsグループの代表・中野裕哲氏の著書、『50歳からの起業術』(大和書房)より一部を抜粋し、シニア起業に必要な資金の調達方法について具体的に紹介します。

自力で融資申請した場合、審査に通るのは約3割!?

これまで融資の手続きを簡単に(本当にごく簡単にですが)見てきました。ここまで読んで意欲や自信がなくなってきた方もいるかもしれませんね。でも安心してください。

 

専門家のサポートを受けることを考えればいいのです。見たこともない書類を読み解かなければならない、慣れない作業を大幅に省略できます。

 

なにより、審査にパスする確率が上がる点がメリットです。

 

専門家というのは、私のように起業支援を行なっている税理士やコンサルタントのことです。

 

起業家が自力で融資の申請をした場合、審査に通るのは約3割と言われるのに対し、私が関わったケースで借りられなかったことはほとんどありません。

 

専門知識と蓄積したノウハウがありますから、当然と言えば当然です。相談者の事業と状況が、要件や審査基準を満たすか否か、満たすためには、どこを改善すればいいかアドバイスができるからです。

融資の申し込みは、基本的に一発勝負!?

●専門家が主催する無料相談を受けてみる

 

ビジネス経験があっても、初めての起業では誰でも疑問や不安を抱えます。一歩前に進むたびに、わからないこと、戸惑うことにぶつかるでしょう。

 

ひと口に起業といっても事業の内容、規模などもそれぞれ違いますから、いくら「会社のつくり方」のような本を読んでも他人の話を聞いても、自分のケースはどうなのかと考えてしまいます。そういうときは、まずは専門家の無料相談を活用し、サポートを受けることです。

 

融資担当者との面談についても、専門家の手を借りれば想定される質問を事前に知ることができ、予習にも役立ちます。

 

ご存じないかもしれませんが、融資の申し込みは、基本的に一発勝負。審査に通らなかったからと、時間をあけて再びチャレンジしても、ほぼ門前払いを食らうことになります。だからこそ、とにかく万全の準備に努めることが重要なのです。

 

さらに、起業した後も専門家が経営指導を行なう予定になっていれば、融資の審査の好材料になります。

頼れるパートナーの存在が起業成功の近道に

●サポートを受けられる内容は多岐にわたる

 

税理士やコンサルタントに相談、依頼できる内容は、融資を受ける際のサポートにとどまらず多岐にわたりますので、ここでおもな内容を紹介しておきましょう。

 

・起業相談

・個人事業か会社設立かの選択

・会社設立サポート

・創業融資・助成金・補助金の獲得サポート

・税務署・年金事務所などへの届け出書類の作成・提出

・経理税務体制の確立

・節税対策

・人事労務サポート

・許認可の有無の検証

・契約書作成

・集客・マーケティングのアドバイス

 

ざっと見ただけでも、これだけ出てきます。自力で何とかしようとするより、その道のプロの力を借りたほうがよいと思えるのではないでしょうか。

 

次に、専門家に依頼した場合、どのようなメリットが得られるか、まとめてみましょう。

 

・各種手続きにかかる手間が大幅にカットできる

・起業全体をつねに把握する存在として、先回りしてのアドバイスをもらえる

・一括サポートを受ければコスト面で大幅の節約も可能になる

・事業計画書の指導により、創業融資や補助金の審査をパスする確率が上がる

・事業に関連する人脈の紹介も受けられる

 

起業を決めたら、頼れるパートナーを早めに探すことも成功の近道です。パートナーの見つけ方については、本書『50歳からの起業術』の第7章で詳しく見ていきます。

50歳からの起業術 シニア起業と独立を成功に導く実践的ノウハウ61

50歳からの起業術 シニア起業と独立を成功に導く実践的ノウハウ61

中野 裕哲

大和書房

助成金、低金利融資―挑戦のベストタイミングがやってくる! セミナー講師、コンサルタント、システム開発会社、人材紹介業、行政書士、企画開発販売、飲食業、フランチャイズオーナー。人気コンサルタントが脱サラ・開業の…

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