ニュースには直接出ていない銘柄も浮かび上がる!?
マーケットへの影響が大きそうなニュースが日経新聞に出ていても、上場企業がからんでいないこともあります。例えば、大学や研究所で何か画期的な研究成果が出た場合などです。こういうときは、大学名と教授の名で検索してみましょう。そうしてヒットした研究室のホームページをチェックするのです。
チェックポイントは、その研究は企業が参加している産学協同のプロジェクトではないか? あるいは卒業生はどの企業へ入社しているのか? または企業から研究員が出向してきていないか? これらの項目をチェックすれば、たいていの場合、銘柄を見つけられます。
このように、日経新聞の記事の元のネタを当たるには、ネットは非常に有効なツールです。同様に、具体的な銘柄名が出ていないニュースも、Google やYahoo! で検索してみることで銘柄が浮上してくることがあります。
またこうした記事が後日銘柄に結びつくケースもあります。そのために、ニュース検索ができるサイトを利用すること、自分だけのデータベースを作ることも有効です。証券会社のアナリストのレポートやトレーダーのメールマガジンなどを購読して、ストックしておくのもよいと思います。
政府広報、内閣官房、首相官邸のHPも有力な情報源
国が主導する経済政策について銘柄を調べたいときは、政府広報、内閣官房、首相官邸のホームページを見る習慣をつけるとよいでしょう。これらのサイトには、政策に関する会議日程や参加者などが発表されています。多くの場合、政策に関する会議には、有識者として企業経営者などの民間人が招かれていることも多いのです。
例えば、首相官邸のサイトをチェックすると、総理や副総理または官房長官をメンバーとする会議の資料を見ることができます。こうした会議の出席者なども、これらの資料で見られます。企業経営者を探すのであれば、日本経済再生本部のページなどを参照するとよさそうです。
一例をあげましょう。安倍首相が議長をつとめる産業競争力会議では、次のように、数多くの民間の経営者が、議員として参加しています。
【8053】住友商事の岡素之相談役
【4722】フューチャーアーキテクトの金丸恭文会長
【4188】三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長
【4755】楽天の三木谷浩史会長兼社長
【5401】新日鐵住金の三村明夫相談役名誉会長
投資情報の専門誌・紙の記者はこうした資料を見て記事を書いていますので、そのソースを確認することで事前に銘柄が推測できることがあるのです。民間人が会議に出席する場合は、自分の業界に有利な発言を行っていくはずですから、結果的に政策も出席者の業界に有利に働いていくはずです。そうした情報をヒントに、銘柄を考えていくのです。
会議の出席者は大型銘柄の経営陣であることが多いのですが、株価に関して言えば、中小型株に対する影響の方が大きくなります。業界下位の銘柄に注目です。