日本最古の神社の一つ「賀茂別雷神社」
京都には、寺院、神社、城で構成された世界文化遺産が17もあります。このうち14の寺社は、その眺望・景観を保全するための建築制限で守られており、今後の京都の街づくりを考える上でも、外せないポイントとなっています。文化遺産の所在と成り立ちを知り、京都不動産を購入する際の参考にしてください。
1、賀茂別雷(かもわけいかづち)神社(上賀茂神社) 京都市北区上賀茂本山
創建678年。1300年以上の歴史を持つ日本最古の神社の一つ。賀茂氏の氏神「賀茂別雷大神」を祀る神社であり、正式名称は「賀茂別雷神社」。賀茂御祖(みおや)神社(下鴨神社)とともに行う、賀茂神社両社の祭事である賀茂祭(通称葵祭)で有名である。境内は、白砂の参道の周囲に広大な芝生が広がり、賀茂競馬(くらべうま)などの五穀豊穣祈願の神事が行われている。
2、賀茂御祖神社(下鴨神社) 京都市左京区下鴨泉川町
平安京の造営にあたって、下鴨神社で造営祈願が行われたと伝わるほど歴史が古く、本殿は、御祭神として賀茂別雷神社の祖父神と母である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)、玉依媛命(たまよりひめのみこと)を祀っている。相生社は縁結びのお社として有名で、2本の木が1本に結ばれたご神木は、京の七不思議の一つに数えられている。河合神社は女性の守護神である玉依媛命が祀られており、「鏡絵馬」に化粧を施して奉納すると美しくなるといわれ、多くの女性参拝客でにぎわっている。境内に広がる広大な「糺(ただす)の森」は、市民の憩いの場となっている。
日本最古級の密教彫像が多数安置される「教王護国寺」
3、教王護国寺(東寺(とうじ)) 京都市南区九条町
東寺は正しくは教王護国寺といい、平安建都の際に官寺として建設された。後に嵯峨天皇が唐から帰国した弘法大師空海に下賜され、密教の根本道場(こんぽんどうじょう)として栄え、現在に至っている。
国宝の五重塔は、高さ約55mの日本最高の木造の塔。雷火や不審火で4回焼失したが、現在の塔は1644年に、徳川家光が再建し、奉納した。講堂には大日如来を中心とした日本最古級の本格的な密教彫像が多数安置されている。境内は史跡に指定されており、弘法大師の縁日とされる毎月21日には、「弘法さん」の愛称で呼ばれる「弘法市」が開かれる。
4、清水寺 京都市東山区清水
奈良時代末期の778年に僧延鎮が開山し、798年、坂上田村麻呂が仏殿を建立したと伝えられている。音羽山中腹には30近い堂塔伽藍が並ぶ。現在の堂塔の多くは、1633年頃、徳川家光の寄進によって再建されたものである。
境内に流れる「音羽の滝」は霊泉として知られ、清水の観音として平安時代以来多くの人々の信仰を集めている。「清水の舞台」で有名な本堂は断崖の上にせり出しており、崖下からの高さは18m。舞台からは桜、紅葉といった四季折々の自然の景観を眼下に、京都市街地が一望できる。
[図表]京都の世界遺産分布図