前回に引き続き、世界文化遺産にも指定されている京都寺社の所在と成り立ちについて見ていきます。今回は、鹿苑寺等を取り上げます。

1950年の火事で消失、再建された「金閣寺」

13、鹿苑寺(ろくおんじ)(金閣寺) 京都市北区金閣寺町1

 

相国寺(しょうこくじ)の塔頭(たっちゅう)寺院の一つで、足利義満が1397年に西園寺家より譲り受けた山荘に「北山殿」と呼ぶ別邸を置いたのがはじまり。義満の死後、北山殿は鹿苑寺に名を変え寺となった。正式名称は鹿苑寺であるが、舎利殿として建てられた「金閣」が特に有名であることから、一般的には金閣寺と呼ばれている。現在の金閣は1950年の火事で焼失後、再建されたものである。庭園は特別史跡・特別名勝に指定されている。

 

14、慈照寺(銀閣寺) 京都市左京区銀閣寺町

 

室町幕府八代将軍である足利義政によって造営された、山荘東山殿を起源とする寺院。東山文化の代表的な寺院である。江戸時代に、金閣寺に対して、銀閣寺と呼ばれるようになり、現在は通称である銀閣寺の名で広く知られている。庭園が国の特別史跡及び特別名勝に指定されているほか、東求堂が住宅建築遺構として国宝に指定されており、我が国最古の書院造りの建物でもある。金閣、西本願寺内の飛雲閣と合わせて、「京の三閣」と呼ばれている。

 

15、龍安寺 京都市右京区龍安寺御陵下町

 

1450年に細川勝元が徳大寺家の別荘を譲り受け、妙心寺の義天和尚を開山に迎え創建された。方丈庭園(史跡・特別名勝)は三方を築地塀に囲まれた枯山水庭園で石庭として有名。白砂に15個の石を配した名庭は、「虎の児渡しの庭」として知られている。塀の高低差により、実際より広く見せるなど高度な設計がされているが、作庭者は不明である。

徳川幕府にとって京都の拠点となった「二条城」

16、本願寺(西本願寺) 京都市下京区堀川通花屋町下ル

 

浄土真宗本願寺派の本山で、所在する場所から西本願寺とも呼ばれる。親鸞聖人の没後、娘の覚信尼が現在の知恩院付近に廟びょう堂どうを建てたことが起源となる。ともに国宝である阿弥陀堂(本堂)、御影堂(大師堂)の佇まいは圧巻で、能舞台として日本最古の北能舞台も残されている。広大な境内は市民の憩いの場としても愛されている。京都三名閣の一つである飛雲閣は、秀吉が建てた聚じゅ楽らく第だいの一部ともいわれており、華麗な桃山文化を今に伝えている。大書院庭園は特別名勝・史跡、滴翠園は名勝に指定されている。

 

17、二条城 京都市中京区二条通堀川西入ル二条城町

 

1603年、徳川家康が上洛時に利用する宿館として築城された。家康と豊臣秀頼との会見場所として使用されるなど、江戸時代、徳川幕府にとって京都の拠点となった平城である。江戸幕府末期の1867年には、15代将軍の徳川慶喜が二条城で大政奉還を行っている。家康が建てた二の丸御殿は武家風書院造りで、当時の桃山文化の特徴を今に残している。絢爛豪華な建築様式と狩野探幽を主とする「狩野派」による障壁画で有名。城内にある史跡、二の丸庭園は特別名勝に指定されている。

 

[図表]京都の世界遺産分布図

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