前回は、「マンションPBR」から京都不動産の資産価値について考察しました。今回は、京都市内の各エリアの不動産の特徴と物件選びのポイントを見ていきます。

西院は大企業が本社を置く、投資効果の高いエリア

観光ブランド都市としてインバウンド特需に沸く京都では、さまざまな再開発プロジェクトが進行中です。そこで主だった再開発プロジェクトと、土地勘のない人でもすぐにわかる、京都市の各エリアの特徴と物件選びのポイントをご紹介します。

 

京都には有名大手企業の本社が多くあります。今や世界的な企業となった任天堂の本社はJR京都駅をさらに南に行った十条にあります。すぐ近くには佐川急便の本社があり、京都駅のすぐ南にはニッセンホールディングスがあります。ほかにも堀場製作所、オムロン、日本新薬、ワコールなど、多種多様な大企業が京都に本社を構えています。

 

前回で取り上げたように、京都で狙うべき収益物件のメインターゲットは社会人単身者、特に大手企業に勤める会社員は重要な層です。そのため、大企業が本社を置くエリアの周辺は社会人単身者向けの収益物件にとって最も投資効果の高い場所になります。そのなかの一つとして、私がこれからねらい目の有力候補に考えているのが「西院エリア」です。

 

[図表]京都の西院エリア周辺に集まるトップ企業

日本新薬、堀場製作所等が本社を構える西大寺駅周辺

阪急京都線と嵐山方面へ続くローカル線の嵐電「西院」駅を中心に広がる西院エリアは、先ほどの「平安京基準」でいうと真ん中の朱雀大通りからやや北西のエリアです。

 

大手レンタルビデオ店やフィットネスジム、大手のスーパーやドラッグストアなどが充実しており、大変生活に便利な地域でありながら、京都のビジネス中心街、「烏丸」へは阪急線で2駅。少し北には島津製作所を中心とした企業があり、南に行けば半導体を取り扱うローム社があります。ロームでは、冬になると本社周辺の通り沿いの並木に80万球とも言われる電球を点灯したイルミネーションを実施しており、人気を呼んでいます。

 

こうした西院エリアは「田の字」地区ほど地価が高騰しておらず、まだ十分な開発余力がある地域であり、今後西院エリアの収益物件に出会う機会があれば、ぜひ購入したい物件の一つです。

 

さらにお勧めのエリアとしてつけ加えるとすれば、西院エリアからさらに南に進んだJR「西大路」駅の周辺エリアです。この西大路エリアにも大手企業が多く集まっており、日本新薬、ジーエス・ユアサコーポレーションや堀場製作所が近くに本社を構えています。

誰も知らない京都不動産投資の魅力

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八尾 浩之

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、不動産投資人気が過熱しており、将来の年金不安や資産運用など財テクの必要性から不動産投資を始める人が増えてきています。しかし、ブームが起こると競争が激化し、都市部では価格の高騰や建築コストの増加でマンション…

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