狙うべきは京都市のど真ん中「田の字地区」
京都の不動産投資でターゲットにすべきは、社会人と裕福な学生といった単身層です。この両方を取り込める場所はどこかと言えば、「再生」ゾーンの市内中心部地域です。
京都市内で一番資産価値の高いエリアは、京都市のど真ん中に位置し、ビジネス街となっている「田の字地区」と呼ばれる場所です。田の字地区については、このあと改めて紹介します。しかし最近の傾向としては、新規開発案件は市内中心部から徐々に西側に立地が移行しています。また、先にも述べたように南側の開発も今後目を離せないところです。
しかし市内中心部は、旺盛なインバウンド需要によるホテル業界の進出などで、ここのところ地価は高騰してきており、レジデンスの新規開発をするのは容易ではありません。
また、せっかくの開発用地も厳しい建築制限があるため、高騰する地価に対して採算の合う開発を手掛けるにはしっかりとした投資計画が必要です。そのため、こうした厳しい条件をクリアして建設されるマンションはかなり優良物件である可能性が高く、市内で新規の物件が出れば、ほとんど買いといってもいいでしょう。
「平安京の内側」を意識して投資エリアを絞る
とはいえ、市中物件のどこまでを検討範囲とすべきか、ある程度の目安がほしいところです。そこで、一番分かりやすいエリアの目安としては「平安京の内側」を意識して投資エリアを絞るのがよいでしょう。
21世紀の現在に、平安京を基準にするなんて、と思うかもしれませんが、京都の町は平安建都以来、1200年を経た今も平安京造営の際の碁盤目状の道路、街区構成の上に成り立っています。
現在の市街地地図に平安京遷都当初の大路・小路を重ねた図表で確認してほしいのですが、この平安京の内側のエリアは今でも非常に栄えている地域です。794年に桓武天皇によって遷都された平安京は、東西4.5㎞、南北5.2㎞の長方形に区画造営されています。
平安京の街区は、北端は東西に延びる「一条大路」を境に、東は南北に流れる鴨川の手前「東京極大路(ひがしきょうごくおおじ)」まで、西は「西京極大路(にしきょうごくおおじ)」です。これを現在の京都市に重ねれば、北は北東に位置する京都御所の半分くらいまで、東はやはり鴨川より西側まで、西端は山陰本線の「花園」駅、地下鉄の「太秦天神川(うずまさてんじんがわ)」、阪急京都線の「西京極」あたりまでとなります。