京都市を「保全」「再生」「創造」に分けて捉える
京都不動産に対する認知が広がるにつれ、私のところでも他県から京都不動産に関する相談を受けることが増えてきました。そうした方のほとんどが、観光都市としての京都は知っていても不動産投資という観点では、まだまだ京都をよく理解されていないようです。
そこで本連載では土地勘のない人でもすぐに理解できる、京都市の不動産投資上の押さえ方について紹介します。
京都不動産は、京都市を中心に投資エリアを考えていきます。その中で、土地勘のない方でもすぐに京都市の地域特性を押さえるためには、京都市を3つのゾーンに分けて捉えると分かりやすいでしょう。
京都市は特性を踏まえた土地利用の展開を進めており、基本的な市域の活用として「保全」「再生」「創造」という3つのゾーニングを行っています。
[図表]京都の保全、再生、創造のゾーンを示す地図
人が集まりやすい「再生」ゾーンは投資先として有力
まず京都市は、南を除く東山、北山、西山の三山に囲まれており、北部とこの三山周辺が「保全」のゾーンとして位置付けられています。
この「保全」ゾーンは、三山を中心に文化財や史跡の点在する山ろく部、山間部です。景観に恵まれた地域一帯の自然と歴史的な景観を保全すると共に、良好な居住環境の保全・向上や文化、学術、研究機能の集積を図るゾーンとされています。
次に市街地のある市の中心部は「再生」ゾーンとして位置付けられています。京都市内は伝統的な京町家が多く残っていながら、一方で商業機能の集積地です。歴史と伝統のある京都市内のよさを残しつつ、再開発(再生)を図っていくゾーンとされています。
そして最後に「創造」ゾーンと位置付けられるのは市の南部です。この地域は市中に比べるとまだ新たな開発余地が残っている地域で、これからの京都の活力を担う創造のまちづくりを進める地域として、今後開発が加速していくと考えられます。
不動産投資の観点からすると、この3つのゾーンのなかでまず押さえたいのは「再生」に位置付けられている市中となります。京都に本社を置く大手優良企業の会社員や学生といった単身者は、この地域に集中しています。