非営利団体の「収益商品」となり得るものとは?

今回は、非営利団体の「収益商品」となり得るものについて紹介します。※本連載は、非営利団体のファンドレイジング力(資金調達力)向上事業に従事し、これまで全国200カ所以上のファンドレイジングセミナーに講師として登壇した実績を持つ、ファンドレイジング・ラボ代表・徳永洋子氏の著書、『非営利団体の資金調達ハンドブック』(時事通信出版局)の中から一部を抜粋し、非営利団体として事業収入・収益を上げるノウハウを解説していきます。

販売する商品には2種類ある

前回の続きです。

 

2)モノの商品化

 

いわゆる「物販」にも2つのタイプがあります。

 

①ミッションと直結した商品

 

代表的なものは、途上国支援団体が、現地の人たちの自立支援活動の中で生産された、例えば工芸品などをオンラインやイベントで売る場合です。環境団体がエコバッグやマイ箸を販売する、障がい者支援団体が作業所でつくられたクッキーを販売するというのも、このタイプです。

 

②活動の資金調達を目的とした商品

 

団体のロゴ入りバッグなどを販売したり、マスコットをプリントしたタオルやTシャツを売ったりするなどして資金調達する団体も多くあります。企業と連携した寄付付き商品(商品の売り上げの一部が団体に寄付される)もこのタイプです。

 

3)場所の商品化

 

「NPOセンター」と呼ばれる地域の中間支援組織の施設では、会議室を時間貸しして収益を上げていることがあります。また、「インキュベーション・オフィス」として、デスク付きのブースを貸し出して社会的企業の支援をしている団体もあります。コミュニティカフェなどが、食事時間帯以外に、カフェを「習い事の教室」などに貸し出すのも、このタイプです。

チャリティ、イベント、セミナーも商品価値を持つ

4)イベントの商品化

 

大規模なチャリティ・コンサートやシンポジウムなどから、地域のプレイパークの焼き芋大会まで、非営利団体が行うイベントへの参加費、また、海外の活動の現場を訪ねるスタディツアー参加費も、このタイプです。

 

5)情報の商品化

 

社会課題の解決の専門家としての知見は、貴重な情報として、十分に商品価値のあるものです。書籍にして販売する、セミナーを開催する、あるいは講師派遣など、いろいろな形態があります。商品化によって収益を得ることと同時に、社会の課題についての啓発にもつながることで、非営利団体にとってはミッションとの整合性の高いものです。

 

最近は、企業なども社内研修に非営利団体から講師を招くことが増えています。これから進出する途上国で長年活動してきた団体から学ぶ、ワークライフ・バランスについて子育て支援団体から学ぶ、ハラスメント防止のために人権団体から学ぶなど、その専門性が評価されています。

ファンドレイジング・ラボ 代表

日本ファンドレイジング協会理事
佐賀未来創造基金 理事

東京都出身。大学卒業後、三菱商事に勤務。1998年から日本フィランソロピー協会で視覚障害者向け録音図書のネット配信事業「声の花束」を担当。2000年よりシーズ・市民活動を支える制度をつくる会で、おもに非営利団体のファンドレイジング力(資金調達力)向上事業に従事。そのプロジェクトの一環として、日本ファンドレイジング協会設立を担当し、2009年2月、同協会設立と同時に同協会事務局次長となり、2012年6月より2014年12月末まで同協会事務局長をつとめた。現在、同協会理事。
2015年2月に「ファンドレイジング・ラボ」(http://fundraising-lab.jp/)を立ち上げ、「3分間ファンドレイジング講座」をウェブサイトで連載。非営利団体のファンドレイジング力向上と寄付文化の醸成を目指して、講演、コンサルティング、執筆などを行っている。これまで全国200カ所以上のファンドレイジングセミナーに講師として登壇。受講者は1万人を超えている。

著者紹介

連載非営利団体のための「事業収入」を高めるノウハウ

非営利団体の 資金調達ハンドブック

非営利団体の 資金調達ハンドブック

徳永 洋子

時事通信出版局

全国に10万超あるNPOの悩みの種。「資金獲得のノウハウ」を初めて集大成。全国10万超のNPOの最大の悩み「資金をどう獲得するか?」。その答えを初めて、具体的に書きました。 寄付の依頼には手法があります。イベントに集客す…

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