今回は、投資のリスク低減に不可欠な「時間の分散」について紹介します。※本連載は、1億円倶楽部の主幹などを務め、年収1億円超のクライアントを多数持つ富裕層専門のカリスマ・ファイナンシャル・プランナー江上治氏の著書『給料が上がらなくても、お金が確実に増える方法を教えてもらいました。』(あさ出版刊行)の中から一部を抜粋し、お金を上手に運用するコツを会話形式でやさしく解説します。

リスク商品に投資する際は、資金を一度に投入しない

「ちなみに運用を考えるときには、『時間の分散』も注意すべきだ」

 

 

「・・・『時間の分散』って何ですか?」

 

 

「要は、株や投資信託、変額保険など、リスクがある商品に投資するときは、一度にすべての資金を投入しないということだね」

 

 

「なんで、一度にすべての資金を投入したらダメなんですか?」

 

 

「株式をもとに、具体的に説明しようか。たとえば、投資の成果は、『株の株数×価格(株価)』で表されます。株価は常に変動するけど、株数をいっぱい買えば、それだけ株価の影響を受けなくなるわけ」

 

 

「??・・・どういうことでしょうか?」

 

コツコツ買うことで「買付価格」が平準化する理由

「たとえば、私とMさんが20万円を持っていて、Mさんは一括投資、私は毎月2万円ずつ10回にわたって、コツコツ投資をする。すると、私は株価が下がったときに口数が多く買えるわけだから、自然と買付価格が平準化されてくるんだ」

 

 

「へー」

 

 

「Mさんは株価が1万円のときに20株買ったとする。そして、8000円に値下がりしたときに売却すると、時価は16万円になりますよね」

 

 

「4万円の損は痛いですね・・・」

 

 

「でも、私は、株価が下がったときに、株数をたくさん買っているから、結果的に30株買うことができて、売却したら投資の成果は24万円になる(図表)」

 

 

[図表]時間分散でどれだけの差が生じるか

 

「そう考えると、たしかに分散投資のほうがお得ですね。心理的に株価が下がってもショックは少ないですし」

 

 

「下がっていれば、コツコツ買い続けて、株価が上がるのを待っていればいいわけだからね」

 

 

「運用の方法としてもシンプルですね」

 

 

「リーマンショックのような、一時的な損失発生のリスクも回避できるし、複数回に分けて長期的に購入した人は、結果的に、1年あたりの価格変動のぶれを小さくできる。つまり、リスクを分散できたということになるんです」

本連載は、2017年4月23日刊行の書籍『給料が上がらなくても、お金が確実に増える方法を教えてもらいました。』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

給料が上がらなくても、  お金が確実に増える方法を  教えてもらいました。

給料が上がらなくても、 お金が確実に増える方法を 教えてもらいました。

江上 治

あさ出版

お給料が増えない。ボーナスも期待できない。臨時収入だってない。景気がいいのは昔の話で、このご時世、多くの人々が不況に苦しんでいます。マジメに働いたところで、お給料は増えませんし、ローン、教育費、老後と支出ばかり…

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