学資保険の中には「元本割れ」する商品もある

「ちなみに、あらためて再確認だけど、Mさんは学資に入ってるじゃない、これの目的って・・・」

「子どもの教育費です」

「だよね、じゃあ保険証券をちょっと見せてもらえるかな」

「どうぞ。長男が生まれたときに入りました。毎月1万円です」

「・・・契約期間は22年間、お子さんが大学に入るとき、約266万円の保険金が支払われますね。で、支払う保険料の22年間の合計は、264万円。266万円の保険料が返ってくるから、利息は2万円です」

「利息は微々たるものですね」

「じつは学資のなかには、元本割れするような商品も売られてるって知ってた?」

「えっ、そうなんですか?」

「『いざというときの保険だから』と説明されて、お客さんも納得してしまうらしいけど、よく内容を聞いて、商品の比較もしてから買ったほうがいいね」

「ボクは『ちょっぴり増えますけど、学資はそういうもの(たくさん増えないもの)なんです』って聞いたような・・・」

「まぁ、貯金のような感覚で入る人が多いからね。でも、学資はちゃんとした保険商品です。証券に書いてあるけど、満期になる22年の間に、Mさんにもしものことがあった場合、保険料の払い込みが免除されるという保障がついています」

「ボクが死んだら、毎月の保険料は払わなくていいってことですか?」

「そう、その保障部分があるから、貯蓄性が低くなる。ちなみに、学資だけじゃ、教育資金はカバーできないよね。加入するとき、ホントに子どもの教育費がまかなえるのか、という疑問はわかなかった?」

「少し考えましたけど、『教育費は学資でまかなうことが多い』って聞いてましたから、とりあえず入っておけば大丈夫なのかなと・・・」
金融商品は複数を比較検討してから購入を

「なるほど、でも営業マンの言葉は盲信しないほうがいいね。言葉が悪くて申し訳ないけど、Mさんは貧乏脳の典型だね」

「貧乏脳って・・・。だって、学資って高校や大学の入学のタイミングで、お金を受け取ることができるし、自分で無駄遣いすることもないから、まとまったお金を貯めるのに便利じゃないですか」

「でも投資の法則から言えばマイナスだよ。だって、さっき伝えた、複利効果が活かされていないからね。便利に思えるかもしれないけど、『投資効率』という側面から見れば、じつに、もったいない話なんだ」

「そう言われると、なんだか損をした気分になってきました・・・」

「Mさんだけじゃなく、大半の人が『教育費=学資保険』という刷り込みがある。でも、金融商品は、複数の商品を比較検討してから買わなければいけません。数字で判断することが大事なんです。そうすれば、Mさんの保障もついて、3%や5%で運用できる、貯蓄性の高い保険商品だって見つかるんだから」

「えっ、そんなのがあるんですか?」

「あるよ。だからこそ、たくさんの商品を徹底的に比較しなきゃ」

「だったら、学資はやめて、貯蓄性の高いやつに乗り換えたいです」

「ほら、すぐ前のめりになる。もっと落ち着いて、じっくり検討しなきゃ。そういう心構えだから、営業マンの言うとおりに、安易に保険に入ってしまうんだよ」

「その通りです、すみません・・・」

「基本は『調査』と『比較』。Mさんのような人は必ず覚えてほしい」