前回までは、「白内障の手術後のトラブル」に関するQ&Aを紹介しました。今回からは、白内障手術後の「矯正方法」に関するQ&Aを見ていきます。
手術後は、度数が安定するまで様子見を
Q:白内障手術後7カ月目から視力が落ちています。アドオンレンズの手術か眼内レンズの交換、どちらがよいでしょうか。
A:レンズの固定状態がゆっくり変化している可能性もあるので、手術は度数が安定するまで様子を見たほうが無難です。アドオンレンズは交換できますが、まだ新しい技術なので、わかっていないことも多いのです。眼内手術なのでリスクも含めて考えると、基本的には交換しないほうがよいです。
多焦点眼内レンズは夜間のグレアやハローを強く感じる
Q:多焦点の眼内レンズを右目に入れました。近くはよく見えますが、夜間ははっきり見えません。不同視が大きく、眼鏡は使えなくなりました。長時間利用できる代わりの矯正手段はありますか?
A:多焦点眼内レンズはレンズの性質上、夜間のグレアやハローは明らかに強く生じます。ただし、徐々に気にならなくなる方が多いと思います。ハードレンズ、または乾燥しにくいシリコンハイドロゲル素材のソフトレンズがおすすめです。
日本眼科学会認定眼科専門医
指導医
1998年名古屋大学医学部卒業後、社会保険中京病院に勤務。
2000年、社会保険中京病院眼科医員。
2005年ハーバード大学 Massachusetts Eyeand Ear Infirmary 留学。2006年、イリノイ大学眼科留学。2012年慶應義塾大学医学部大学院卒業博士号取得。同年、岐阜赤十字病院眼科主任部長、名古屋アイクリニック角膜・眼表面担当医に就任。白内障、レーシック、フェイキックIOLから角膜移植術、角膜クロスリンキング、眼瞼手術など最先端の手術をマルチにこなす。2011年~2015年までの手術実績約3700眼。
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 非常勤講師。
大連医科大学客員教授。
中華人民共和国 非常勤医師免許取得。
ICLインストラクター。
トラベクトームインストラクター。
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