今回は、子どもの答えを受け止めることで、子どもの夢や希望を知るポイントを見ていきます。※本連載は、子どもたちのやる気を引き出し、考える力をはぐくむ"しつもんメンタルトレーニング"を考案したスポーツメンタルコーチ、藤代圭一氏の著書、『スポーツメンタルコーチに学ぶ! 子どものやる気を引き出す7つのしつもん』(旬報社)の中から一部を抜粋し、"質問"で子どものやる気を引き出す指導法を紹介します。

「ポケモンマスターになりたい」と言った高校生の真意

子どもの夢を奪い、成長を止めてしまうかもしれないドリームキラーにならないためにもしつもんが役立ちます。

 

本書籍、『スポーツメンタルコーチに学ぶ! 子どものやる気を引き出す7つのしつもん』の第1章では、しつもんの重要な三つのルールを紹介しています。その中に、「答えはすべて正解」というものがあります。

 

子どもたちの出した答えを否定せず、しつもんをしてみる。大人から見れば、「?」な答えでも、話を聞いてみると「なるほど」と納得することもあるのです。「答えはすべて正解」なのは、先入観や思い込みで子どもたちの心を勝手に決めてしまわないためでもあります。

 

私がある高校で、しつもんをしたときのことです。

 

「将来の夢を教えてください。なんでも叶えられるとしたらなにを叶えたい?」

 

事前に先生から進路指導を意識した話をして欲しいとのオーダーがあったこともあり、私は生徒たちの目標や夢を知りたいと思っていました。将来の夢を具体的に描いている生徒、まだ見つけられていない生徒、いろいろな生徒がいますが、ある生徒の答えはとてもユニークでした。

 

「ポケモンマスターになりたい」

 

教室にいた先生は苦笑い。私もはじめは少しびっくりしました。でも、しつもんに対する答えはすべてが正解です。

 

「どうしてポケモンマスターになりたいの?」

 

彼の答えに興味を引かれた私は、彼がどうしてポケモンマスターになりたいのかを聞いてみることにしていました。

 

「ポケモンマスターになって、まだ誰も見たことのない生き物を発見したい」

一見、突拍子もない夢は「将来への道筋」

彼は動物や昆虫などの生き物が大好きで、新しいポケモンを次々にゲットしていくポケモンマスターのように、まだ誰も見たことのない不思議な生き物や新種生物をみんなに紹介したいという夢を持っていたのです。

 

「ポケモンマスターになりたい」という言葉だけを聞いて判断していたら、「もう少し真面目に考えろ」とか「アニメの中の話じゃないか」と言ってしまっていたでしょう。その時点で、私は彼にとってのドリームキラーになっていた可能性もあるわけです。

 

でも、「なぜ?」「どうして?」としつもんをして、彼の真意を知ることができました。ここまで聞けば、突拍子もない夢に思えた「ポケモンマスター」も、進路に結びつく立派な夢、将来への道筋につながるのです。

 

 

ま と め

 

◉子どもを知るためには、「見る」のではなく「観る」ことが大切

 

「どう聞くか?」の方法を間違うと、子どもは本心を開かない

 

 

〈聞き方のポイント〉

 

❶相手の話は最後まで必ず聞ききる

 

❷表情豊かに反応する

 

❸興味を持って問いかける

 

 

ドリームキラーになるのは

 

 実は「親」「コーチ」など身近な大人

 

 あなたは大丈夫?

 

 

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