多くの指導者に受け入れられた「オンライン英会話」
パソコンやスマートフォンで受講するオンライン英会話はここ数年で人気を高め、利用者数が増え続けています。MMD研究所が二〇一四年に行った「オンライン英会話に関する調査」によると、「オンライン英会話を知っている」と答えた人は二一・九%でしたが、二〇一五年には二九・二%に上昇しており、だんだんと認知度が高まっていることがうかがえます。皆さんの周りにも、英語学習のツールとして、オンライン英会話を活用している人がいるのではないでしょうか。
私自身、三年ほど前にオンライン英会話を利用し始め、その受講回数は五〇〇回を超えました。多い時には、一日に複数回レッスンを受講しています。一レッスンあたり数百円という低料金で、英語力の伸びを日々実感できているからこそ、これだけ多くのレッスンを受講し続けているのです。
オンライン英会話の特筆すべき点は、あらゆる分野の英語を指導する立場の人がその有効性を認めているところです。オンライン英会話最大手の「レアジョブ英会話」のウェブサイトでも、カリスマ英語講師の安河内哲也さんやTOEIC界の有名講師であるロバート・ヒルキさんがオンライン英会話の利点について述べています。
これまでも、ありとあらゆる英語学習法や英語学習教材が登場しましたが、その有効性については必ずと言っていいほど賛否両論がありました。オンライン英会話のように、大半の英語指導者に受け入れられた英語学習法はそう多くはありません。
オンライン英会話の最大のメリットは、完全なマンツーマンレッスンにあります。日本にいながら、外国人講師と気軽にマンツーマンで英語学習ができるシステムは、オンライン英会話が誕生するまではかなり実現が難しいものでした。
英会話能力を磨く上で不可欠な「実践する場」
確かに、従来からあるスクール型の英会話学校にもマンツーマンレッスンは存在します。しかし、一回四〇分程度のレッスンで八〇〇〇円程度という、かなり高額な料金がかかります。週一回通えば、一カ月で三万円以上の出費です。
また、実際に英会話学校に通った経験から言うと、マンツーマンレッスンは非常に予約が取りにくい上に、ほとんどのスクールでは講師を選ぶことができませんでした。正直なところ、マンツーマンレッスンを担当する講師は、生徒からそれほど人気のない人である場合が少なくなかったです。人気講師=実力講師とは必ずしも限りませんが、高い料金を払って学ぶマンツーマンレッスンなのに、なぜこの講師が担当になったのだろう……と思ったことはあります。
オンライン英会話では、基本的に一回あたり三〇分程度、講師とのマンツーマンレッスンとなります。英会話能力を磨く上で、実践する場が必要なのは言うまでもないことですが、オンライン英会話はまさにその実践する場を、リーズナブルな形で提供してくれます。
考えてみてください。日常生活で三〇分間、マンツーマンで誰かと向かい合って話し続けるようなことは、食事どき以外めったにないと思います。また、親子やカップルでも、三〇分間一緒にいることはあっても、face to faceで沈黙なく、ひたすら話し続ける機会はそう多くはないはずです(もしかしたら、職場の人事考課面接などでこういった機会があるかもしれませんが、せいぜい一年に二、三回ではないでしょうか)。このめったに体験できない環境を、オンライン英会話は実現しているのです。
また、日本人の英会話学校の最も標準的な使い方である、「スクール型の英会話学校で、グループレッスンを受講する」とも比較してみましょう。グループレッスンでは、face to faceで話したとしても、長くて一分程度です。いったん沈黙すれば、会話の主役はグループ内の他の人に移っていきます。そうなると、人の話を聞きながら、自分が話すチャンスをうかがわなくてはなりません。その結果、四〇~五〇分の間、自分が英語で発言した時間はわずか二、三分というケースもよくあります。これでは、アウトプットの場として適切な形とは言えません。
オンライン英会話は、アウトプット学習において最も適切なツールだと思います。インターネットが発達したからこそ受けられる恩恵を、しっかり活用しましょう。