今回は、オンライン英会話の効果を高める「予習と復習」の重要性について見ていきます。※本連載では、TOEIC990点(満点)、英検1級、通訳案内士のいわゆる「英語資格三冠」を持つ高校教諭・西田 大 氏の著書『英語力はメンタルで決まる』(アルク)から一部を抜粋し、オンラインツールを活用した忙しい大人のための効率的な英語の学習法を紹介します。

「予習」で得られるポジティブな心理的効果とは?

オンライン英会話を受講する際、絶対に行ってほしいのが「予習」と「復習」です。この予習と復習をするかしないかで、レッスン効果が大きく異なってきます。

 

まず、予習についてです。ちょっとした空き時間や通勤中に、今日のレッスンではどんなことを話すか、大まかな枠組みをイメージします。レッスン中のあらすじを考えるだけでなく、「今日はこの表現を使ってみよう」など、ある程度具体的な形で落とし込んでおくことが大切です。

 

レッスンまでに、「その日の話題」と「定番の話題」を一つずつ用意します。「その日の話題」とは、レッスン当日の出来事のこと。また、「定番の話題」とは、当分の間繰り返せそうな話題です。例えば、東京オリンピックに関する話のようなものです。これらを、英語でどう表現するかを考えておきます。

 

時間配分については、初めのうちは講師がリードしてくれますので任せておいて大丈夫です。慣れてきたら、ある程度自分なりの形を作っていくと良いでしょう。

 

このようにあらかじめ予習をしておくと、「この表現、通じるかな?」などと、受講する前からレッスンが楽しみになってくるというポジティブな心理的効果が得られます。また、事前に想定しておいた表現が実際に講師に通じると、非常に強く記憶に残ります。自分が話したいテーマがあり、大まかな枠組みがありますので、会話も弾むでしょう。何も準備せずレッスンに臨むよりも、レッスンで得られる成果が断然深くなります。

「オンラインの利便性」に頼り過ぎてはいけない理由

次に、復習についてです。三〇分前後のレッスン中、集中してずっと英語でコミュニケーションを取り続けたわけですから、レッスン後は疲れきっていても当然です。実際に受講してみるとよくお分かり頂けると思いますが、三〇分間話し続けるというのは想像以上に疲れます。

 

しかし大切なのは、レッスン直後に復習をすることです。

 

復習では、うまく表現できなかったと思う英文や、聞き取れなかったフレーズをしっかり確認しておきます。専用の復習ノートを作って、そこに書き留めておくのもいいでしょう。そして、次のレッスン前にもう一度復習ノートに目を通し、その表現をあえてレッスン中に使ってみます。これを繰り返すと、自分の中にそれらが使える英語表現として定着していきます。

 

また、日頃の英語学習で気になったフレーズも書き留めておき、それらのフレーズにアレンジを加えてオンライン英会話のレッスンで使ってみましょう。このような積み重ねが英語力の向上に役立つのです。

 

予習と復習をすることで、オンライン英会話の効果を最大限に引き出し、活用することができます。

 

なお、予習と復習に関連して、大切なポイントを一つ付け加えておきましょう。

 

オンライン英会話では、受講者自身がレッスン日やレッスン開始時間を決めます。たいていのオンライン英会話の場合、レッスン開始時間直前までレッスン予約が可能です。これはとても便利なシステムで、多忙な社会人学習者には最も必要とされるもののように感じます。また、このシステムがあってこそ、オンライン英会話が現在のような人気を博しているのでしょう。

 

しかし、ここで大切なことは、この便利なシステムに頼りすぎてはいけないということです。利点を生かそうとするあまり、レッスン時間の直前まで予約を入れない人が多くいます。しかし、この方法にはあまり賛成できません。理由は、オンライン英会話を受講する際に威力を発揮する「予習」がおろそかになるからです。

 

レッスンは、予習時間の確保も考慮して予約しましょう。

英語力はメンタルで決まる

英語力はメンタルで決まる

西田 大

アルク

毎日仕事で忙しくて時間がない、でも英語力を何とか上げたい! 「大人のための正しい英語勉強法」と「英語と向き合う正しいマインドセット」を身につければ、最大限の効率で確実に英語力をアップできる! 人生が変わる! 日…

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