前回は、ソフトバンク、ルフトハンザ等を例とした事業モデルを紹介しました。今回は、ソフトウェア業界の例で「ビジネスモデルマップ」の活用術を見ていきます。

提携先等を整理し、マップの「ブロック」を埋めていく

前回の続きです。

 

Aさん:Bさんの新規事業のプロジェクトは、その後も順調で、いよいよビジネスモデルの策定にとりかかろうとしているところです。自分も同じ業界の人間としていろいろとアドバイスを求められています。

 

顧問:では、今日は、ビジネスモデルマップでソフトウェア業界のビジネスモデルを整理してみましょうか。アドバイスをされる際の参考になるかもしれません。まずは、バリューチェーンの部分からブロックを埋めていきましょう。

 

Aさん:KP……主な提携先はクラウドプラットフォーム提供会社ですね。

 

顧問:KAはどうでしょうか。

 

Aさん:主な業務活動は、クラウド製品の開発・販売になります。KRについても答えると、主な経営資源としてはクラウド製品、営業、エンジニア、導入コンサルタントがあげられます。

 

顧問:真ん中のVPには何が入りますか。

 

Aさん:提供価値に関する考えについては個々の企業によって違う点もあるでしょうが、最大公約数的にまとめれば、業務管理システムを早く安く安全確実に導入できることになると思います。

 

顧問:何の問題もなさそうですね。CR、CH、CSも一気に埋めてしまいましょう。

「ビジネスモデルマップ」の具体的事例とは?

Aさん:まず、顧客との関係は、WEB、電話、それから対面で築くことになりますね。販売チャネルは、直販と販売パートナーになります。顧客セグメントについては、既存自社顧客と中堅企業があげられます。

 

顧問:それでは、次に収益モデルについて見ていきましょう。まず、CSはどうでしょうか。

 

Aさん:コスト構造については、システム開発・運用費、販管費になります。

 

顧問:残るは最後のブロック、RSですね。

 

Aさん:収入構造としては、利用料金方式(月額課金、Subscription)と導入コンサルティングサービスが考えられます。

 

顧問:きれいにまとまりましたね。

 

Aさん:コピーして、早速Bさんに送っておきます。

 

顧問:それはいいですね。Bさんはきっと喜ぶでしょう。

 

[図表]ソフトウェア会社における事例

超図解! 新規事業立ち上げ入門

超図解! 新規事業立ち上げ入門

木下 雄介

幻冬舎メディアコンサルティング

日本の企業は目下巨大なパラダイムシフトの波に直面しています。 経営環境の変化がめまぐるしい中、企業が生き残るためにはビジネスモデルを再構築し、新たな収益の源泉として新規事業に取り組むことが不可欠です。 新規事業…

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